クリニックにおける“指導”と“パワハラ”の違いについて

ハラスメントのこと

院長先生や役職者は、患者様に選ばれるクリニックを目指すために、従業員の指導を行います。

しかし、指導をしているつもりが、実はパワハラにあたる行動をしてしまっていたというケースはよくあります。

今回は、そのような事態を防ぐために、クリニックにおける指導とパワハラの違いについて解説します。

クリニックにおける指導とパワハラの違い7選

クリニックの従業員が対象となる指導、パワハラの違いには、主に以下のことが挙げられます。

・目的
・業務上の必要性
・態度
・タイミング
・誰の利益か
・感情
・結果

目的

指導は従業員の成長を促すことが目的であるのに対し、パワハラは院長先生または役職者が自身の思い通りにすることを目的としています。

具体的には、以下のような違いです。

指導 従業員の成長を促す
パワハラ ・従業員を排除する

・従業員を馬鹿にする

業務上の必要性

クリニックにおける指導は、業務上必要性のあるものです。

従業員の成長だけでなく、健全な職場環境を維持することにもつながります。

一方、パワハラは業務上必要性がないものであり、個人生活や従業員の人格まで否定します。

例えば、“頭が悪い”、“育ちが悪い”といった性格や本質的な部分を否定する言葉は人格否定につながるため、いかなる状況においても使用してはいけません。

また、“太っている”、“背が低い”など、言葉で身体的な特徴を否定することも人格否定であり、これらは「従業員を指導したい」という一心であれば、基本的には出てくることのない言葉です。

態度

院長先生や役職者には自覚がないかもしれませんが、指導とパワハラでは、従業員に見せる態度が大きく異なります。

具体的には以下の通りです。

指導 ・肯定的

・受容的

・自然体

パワハラ ・威圧的

・攻撃的

・否定的

・批判的

タイミング

悪気なく従業員と接しているつもりでも、アドバイスをしたり、意見を言ったりするタイミングが悪いと、それは指導ではなくパワハラという扱いになるおそれがあります。

そのため、以下のタイミングの違いに関しては、必ず把握しておきましょう。

指導 ・タイムリーにその場で行う

・従業員の受け入れ準備ができているときに行う

パワハラ ・過去のことを繰り返す

・従業員の状況や立場を考えない

誰の利益か

院長先生や役職者による指導は、クリニックにとっても従業員にとっても、大きな利益となるものです。

一方、パワハラはあくまで院長先生、役職者にとっての利益でしかなく、常に行う側の気持ちや都合が優先されています。

感情

指導を行う場合、院長先生や役職者の感情は非常に穏やかです。

一方、パワハラには負の感情が詰まっていて、それが態度や言葉の悪さにつながってしまいます。

具体的には、以下のような違いがあります。

指導 ・穏やか

・好意

・温か

パワハラ ・イライラ

・怒り

・嘲笑

・冷静

・嫌悪感

結果

院長先生や役職者が従業員に対して行ったことは、結果から指導なのか、パワハラなのかを判断することもできます。

指導であった場合、結果は従業員の成長、職場環境の良化になるはずであり、従業員が上層部に意見できなくなったり、職場環境が悪化したりすると、それはパワハラであったと判断できます。

違いをまとめると以下のようになります。

指導 ・従業員が責任を持って発言、行動する

・職場に活気が出る

パワハラ ・従業員が委縮する

・職場環境がギスギスする

・離職者が増加する

まとめ

ここまで、クリニックの院長先生、役職者に向けて、指導とパワハラの主な違いを解説してきました。

適切な従業員教育を行う自信がないクリニックは、医療機関に特化した接遇・ホスピタリティ研修である3up Projectの活用を検討してください。

短期間の訪問型OJT研修やオンライン研修により、業務に積極的で、なおかつ接遇が備わった従業員を増加させることができます。

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