クリニックでチームビルディングを進めている最中、退職を希望するメンバーが現れることがあります。
こちらが優秀なメンバーである場合、院長先生は引き止めたいと考えるでしょう。
しかし、方法を間違えるとかえって逆効果になることもあります。
今回は、退職希望のメンバーを引き止める際のNG行動について解説します。
退職希望のメンバーを引き止める際のNG行動5選

どうしても退職を希望するメンバーを引き止めたい場合でも、以下のような行動を取るのはNGです。
・感情的に引き止める
・その場しのぎの約束をする
・退職理由を否定する
・他のメンバーを悪く言う
・不誠実な対応を取る
各項目について詳しく説明します。
感情的に引き止める
いくら辞めようとしているメンバーが大きな戦力だからといって、感情的に引き止めるのはNGです。
例えば「辞めないでくれ」と感情的に縋ったり、泣き落としをしたりといった相手の気持ちを無視した方法は、逆効果になる可能性が高いです。
また「君がいなくなったらどうなる」といった責任転嫁も、退職しようとしているメンバーを不快にするだけです。
その場しのぎの約束をする

優秀なメンバーの退職を阻止したいからといって、その場しのぎの口約束をするのもNGです。
例えば「給料を上げるから」「役職を上げるから」といったその場しのぎの約束は、実現しなかった場合信頼関係を大きく損ないます。
そのため、遅かれ早かれ退職してしまう可能性が高いです。
また「もう少し待ってくれ」といったあいまいな言葉も、メンバーを不安にさせるだけで、「やっぱりチームに残ろう」という気にさせる力はありません。
退職理由を否定する
メンバーの退職理由の中には、もちろん体力的な問題もあります。
しかし、そのような理由を述べたメンバーを否定しても、特にメリットはありません。
むしろ「そのようなことではやっていけないぞ」などと言葉をかけられたメンバーは、自身に寄り添ってくれていないと感じ、退職の意思をさらに固めてしまいます。
ちなみに、クリニックで勤務するメンバーには、退職する理由を伝える義務がありません。
つまりメンバーが「理由は言えない」という場合、無理に聞き出すことはできないということです。
他のメンバーを悪く言う

退職しようとしているメンバーを何とか引き止めたいからといって、他のメンバーのことを悪く言うのは良くありません。
例えば上司との人間関係が理由で退職するメンバーがいる場合、「あいつがバカなだけだよ」などと説得しても、印象は良くなりません。
むしろ、「自分がいないところでは自分の悪口を言っているのだろう」という不信感を抱かれてしまいます。
もちろん、他のメンバーの悪口を言っていたことが広まると、他にも退職希望者が現れることが考えられます。
不誠実な対応を取る
院長先生は、メンバーの退職を認めたくないからといって、不誠実な対応を取ってはいけません。
例えば退職届を受理しなかったり、退職日を認めなかったり、有給休暇を取得させなかったりといった対応です。
このような対応は、労働者の権利を侵害する使用者としてあるまじき行為です。
もちろん単純に言葉で圧力をかける場合も、内容によっては法律違反になる可能性があるため、注意しなければいけません。
ちなみにこのような不誠実な対応を取る院長先生は、知らず知らずのうちに普段から別のメンバーに対し、同様の対応をしている可能性があります。
まとめ
優秀なメンバーがチームビルディングから抜けてしまうと、業務効率は著しく低下します。
さらに今後のリーダー候補も失ってしまうことになりますが、退職を希望したメンバーに対してはできる限り寄り添い、今後のキャリアをサポートすることが望ましいです。
また優秀なメンバーが少ないというクリニックでは、3up Projectなどでメンバーを育てることにより、優秀なメンバーが退職したときの穴を埋めやすくなります。