間違って患者様に使ってしまいがちな言葉について

接遇のこと

クリニックに勤務する医師、従業員は、業務をきちんとこなすだけでなく、患者様とコミュニケーションを取るにあたって、良い印象を持ってもらわなければいけません。

また、患者様とのコミュニケーションにおいては、正しい言葉遣いが必要不可欠です。

今回は、間違って患者様に使ってしまいがちな言葉について解説します。

間違って患者様に使ってしまいがちな言葉4選

医師や従業員が患者様とコミュニケーションを取る際には、できる限り丁寧な言葉遣いをしようと考えるかと思います。

しかし、自身では好印象を与えようと思っていても、その言葉が患者様に使用するものとして適切でない場合、かえって非常識な印象を与えてしまう可能性があります。

そのため、以下のような言葉は使用せず、正しい表現に言い換えましょう。

・お教えしましょうか
・お暇なときに
・お間違えないでしょうか
・担当にお伝えします

お教えしましょうか

患者様にはわからない治療や薬に関することなどは、医師や従業員ができる限り丁寧に説明しなければいけません。

しかし、このとき「お教えしましょうか?」という表現は使用しないようにしましょう。

文法的に言えば、こちらの表現は間違ってはいませんが、重要なのはこちらの表現を患者様がどのように受け取るかです。

そもそも教えるという言葉は、一般的に先生や専門家などが、“知識や技能を身に付けるよう”導くことを意味します。

そのため、上から目線のニュアンスが含まれているように感じる方も多く、ご説明いたしましょうか」といった言葉に置き換えるのが無難です。

お暇なときに

患者様に対し、「お暇なときに説明をお読みください」などと伝える医師や従業員がいますが、こちらはNGです。

このような伝え方は、患者様に暇な時間があると言っているようなものであり、場合によっては気分を害してしまう可能性があります。

そのため、以下のような適切な表現に言い換えましょう。

NG表現 お暇なときに
良い表現 お手すきの際に、お時間のあるときに

お間違えないでしょうか

患者様からの要望などを聞き入れた際、「〇〇でお間違えないでしょうか?」と聞き返す医師や従業員がいますが、こちらも患者様に悪い印象を与える可能性があります。

ここでいう“お間違え”という言葉は、尊敬語にあたります。

そのため、「お間違えないでしょうか」という言葉は、「患者様が伝える内容を間違っているかもしれないので、確認してほしい」という意味になってしまいます。

実際そのようなつもりがなくても、上記のような伝わり方をしてしまうと、患者様が不快な気持ちになるのは仕方ありません。

もし聞き返すのであれば、聞き入れた内容を繰り返し、「〇〇でございますね」と伝えるようにしましょう。

担当にお伝えします

自身の担当外のことについて、患者様から質問があったとき、「担当者にお伝えしますので、しばらくお待ちください」といった言葉を使う医師、従業員がいますが、こちらは日本語として正しくありません。

こちらのケースでは、担当者つまり同僚や上司に対して“お伝え”という尊敬語が使用されています。

正しい表現は、「担当者に申し伝えますので、しばらくお待ちください」です。

ちなみに、申し伝えるは、“言葉を取り次ぐ”、“伝言する”という意味の言葉であり、へりくだることで相手方を高める謙譲語の1つです。

まとめ

ここまで、医師や従業員が悪気なく、間違って患者様に使ってしまいがちな言葉について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

間違った言葉遣いにより、知らず知らずのうちに、患者様に悪い印象を与えてしまわないよう、注意してください。

また、従業員に言葉遣いを含む接遇の基礎を学ばせたいというクリニックは、医療機関の従業員教育・育成プログラムである3up Projectをぜひ活用してみてください。

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