近年、さまざまな業界において、“レジリエンス”という言葉が使われるようになっています。
こちらは、元々物理学の分野で使用されていた言葉ですが、医療現場を含む組織に属する方は、意味を把握しておく必要があると同時に、身に付けるための工夫をしなければいけません。
詳しく解説しましょう。
レジリエンスの概要
レジリエンスは、“跳ね返り”や“弾力性”などの意味を持つ物理用語です。
現在は、ビジネスシーンにおいて、“外部からの力が加わっても、元の姿に戻ることができる力”というニュアンスで使われることが多いです。
こちらの言葉が広い分野で使われるようになったのは、そう昔のことではありません。
ここ数年で、日本の労働環境は著しく変化し、医療従事者を含む多くの方が仕事における不満や負担を感じやすくなったことで、改めて見直されるようになりました。
レジリエンスとストレスの関係
皆さんもよく使用するであろう“ストレス”という言葉も、元々はレジリエンスと同じく、物理学における専門用語です。
こちらを跳ね返し、自身を回復・復元させる力が、まさしく今回のテーマであるレジリエンスなのです。
ストレスがかかると、多くの方は落ち込み、嫌な気持ちになるでしょう。
しかし、高いレジリエンスを備える方は、そのような状態からうまく回復することができます。
もちろん、レジリエンスが高い方でも、ストレスをまったく感じないということはありません。
つまり、“何を言われても(何をされても)平気な人”ではなく、“ストレスに対処し、自身の成長に繋げられる人”のことを、“レジリエンスに長けた人”と表現するわけです。
レジリエンスを身に付けるには?
医療現場では、医療従事者の方が日々多忙な毎日を送っています。
その上、患者様とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、業務効率が上がらなかったりすると、ストレスも増大するでしょう。
では、ストレスに打ち克つレジリエンスは、どのようにして身に付けるのでしょうか?
具体的には、以下のような方法が挙げられます。
・思考パターンを変える
・良好な人間関係を作る
・過去を分析する
思考パターンを変える
ストレスからうまく脱却できない方は、得てしてネガティブな思考を持っています。
よって、以下のような思考パターンの方は、できるだけポジティブに考えるクセを付けましょう。
思考パターン | 特徴 |
減点思考 | 自身より優れた人と比較し、「自分はダメだ」と考える |
“べき”思考 | 何でも固定観念で考える |
悲観思考 | 「どうせうまくいかない」と決めつけ、諦める |
無力思考 | 自身には変えられない環境、ルールのせいにする |
自責思考 | ミスをすべて自分のせいと考える |
他責思考 | ミスをすべて他人に責任転嫁する |
無責思考 | 「自分には関係ないこと」と割り切ろうとする |
良好な人間関係を作る
ストレスにさらされたとき、1人で考え込んでしまう方も少なくありません。
そこで重要になってくるのが、良好な人間関係です。
周囲のサポートがあれば、歪んだ考えを正しい方向に導いてもらえたり、自身を肯定してもらえたりするため、レジリエンスは自ずと向上します。
過去を分析する
レジリエンスを身に付けるためには、過去に自身がストレスを乗り越えたとき、どのように考えたのかを分析するのも効果的です。
こちらの作業を繰り返していくことで、少しずつストレスから回復する速度は速くなるでしょう。
ちなみに、過去の苦しかった時期を振り返ることで、「この頃に比べたらまだ楽」という風に、現在の状況を楽観的に捉えることもできます。
まとめ
ここまで、日々汗水垂らして働く方に向けて、レジリエンスの詳細を解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
レジリエンスが高い人材が集まる医療現場は、接遇の質が向上したり、離職率が下がったりと、あらゆる意味での組織力がアップします。
その他にも、組織力向上のポイントを知りたいという医療機関は、コンサル会社などのプロに依頼することも視野に入れてみましょう。
また、弊社は医療総合コンサルティング会社で御座います。
BSC(バランス・スコアカード)を使ったコンサル戦略で、多角的にクリニック経営をサポートさせて頂きます。
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