クリニックのチームビルディングにおいては、主にタックマンモデルというフレームワークが用いられます。
こちらは、組織の成長段階を示したモデルですが、実は他にも活用できるフレームワークは存在します。
今回は、“GRPIモデル”の概要や構成などについて詳しく解説したいと思います。
GRPIモデルの概要
GRPIモデルは、クリニックがチームビルディングを行うにあたって考えたい、4つの要素で構成されるフレームワークです。
GRPIは、それぞれ以下の頭文字を取っています。
G | Goal(目標) |
R | Role(役割) |
P | Process(手順) |
I | Interaction(関係性) |
これらの要素は、先に挙げた順から重要なものとされています。
また、クリニックがGRPIを明確にすればするほど、チームとして各々が目標、役割を自認しやすくなり、メンバーは自身のスキルを活かすことができます。
もちろん、コミュニケーションの機会が増えるため、必然的にチームの関係性も良くなります。
ちなみに、GRPIモデルは、元々組織開発コンサルタントとして活動していたベックハード氏が提唱したものであり、現在では世界中でチームビルディングを実践する際に用いられています。
GRPIモデルを構成する要素の詳細
では次に、前述したGPRIモデルを構成する4要素の詳細を見ていきましょう。
Goal(目標)
クリニックがGRPIモデルを用いる場合、最初に決定するのは目標を掲げることです。
こちらは、リーダーである院長先生が一人で決めるのではなく、メンバー全員で話し合い、適切なものにしなければいけません。
院長先生が主導して目標を決定する場合でも、各メンバーが納得できているかどうか、チーム全体にきちんと目標が浸透しているかを確認した上で、次の項目に移ることが大切です。
また、その他のポイントとしては、達成が困難な目標を設定しないことが挙げられます。
無理な目標設定は、メンバーのモチベーション低下を招く危険性があります。
Role(役割)
クリニックがチームとして目標を決定した後は、各メンバーの役割を決定していかなければいけません。
具体的には、それぞれに割り当てられた業務をメンバー全員で共有し、明確にします。
また、メンバーの役割を決定する際には、各メンバーの得意なこと、苦手なことをきちんと把握し、適材適所の配置を心掛ける必要があります。
ちなみに、こちらの段階で人的リソースが不足している場合は、補完することも検討しなければいけません。
Process(手順)
次は、目標達成までの手順、段取りを決定します。
このときには、業務や意思決定の手順を明確にしますが、最終的な目標だけでなく、前もって中間目標も設定することができれば、スムーズに手順が決定します。
また、こちらの段階では、クリニックのチームビルディングにおいて、何かしらの問題が生じた場合の解決策も考えておかなければいけません。
Interaction(関係性)
こちらは、チームビルディングを構成するメンバーが一丸となって業務に取り組んでいるかどうか、以下のような項目を見て確認するというものです。
・メンバー同士のコミュニケーションは十分かどうか
・信頼関係が出来上がっているかどうか
・事業戦略が作り込まれているかどうか
・問題発生時には解決のために話し合いができるか など
また、特定のメンバーばかりが意見するのではなく、チーム全員が自主的に意見を出しているかどうかも、院長は事細かにチェックしなければいけません。
まとめ
ここまで、クリニックのチームビルディングに活用できるGRPIモデルについて解説しましたが、理解していただけたでしょうか?
きちんとクリニックの目標、各メンバーの役割を決定し、目標に至るまでの修正を継続するという点では、タックマンモデルと非常に近い考え方だと言えます。
もし、GRPIモデルのための人材が育っていないというのであれば、3up Projectで従業員を教育・育成することも検討してください。