医療現場を含むビジネスの現場では、従業員が個々に考え方を工夫することで、組織力向上、業務効率化などの良い効果が生まれます。
もちろん、考え方の工夫は、従業員における体力的、精神的負担を減らすことにも繋がります。
今回は、“ロジカルシンキング”の詳細について解説しましょう。
ロジカルシンキングの概要
筋道立った合理的な思考様式、またはその方法論を“ロジカルシンキング”といいます。
わかりやすくいうと、一貫して筋が通っている考え方、あるいは説明方法という意味の言葉です。
“論理的思考”とも呼ばれていて、特に意識をしていない方でも、なんとなく耳にしたことはあるでしょう。
ロジカルシンキングは、複数の重要な要素で構成されています。
組織の従業員がそれらの要素を確実に押さえることで、問題解決に繋がったり、説得力が向上したりするため、ビジネスシーンにおける重要なスキルと位置付けられることも多いです。
ロジカルシンキングを構成する要素
ロジカルシンキングは、以下の6つの要素で構成されています。
・主張、根拠の筋が通っている
・バイアス(思考の偏り)に左右されない
・合理的である
・物事を適切に整理できる
・因果関係を正確に把握できる
・言葉、数字を正しく扱える
上記の要素をすべて理解し、自身にインプットできる人材は、ロジカルシンキングが高い人物といって間違いないでしょう。
2種類のロジカルシンキングについて
ロジカルシンキングには、以下の2つの手法があります。
・帰納法
・演繹法
それぞれ詳しく解説しましょう。
帰納法
いくつかの実例を挙げ、そこから共通点を探し出し、結論を導き出すという論理展開手法を“帰納法(きのうほう)”といいます。
例えば、A社において、以下の3つの事実があるとしましょう。
・新製品がリリースされていない
・多くの退職者が出ている
・支払いの先延ばしが相次いでいる
これらの事実から、“A社は経営難に陥っている”という結論を導き出すという手法が、帰納法にあたります。
しかし、実例や証拠が事実と異なっていたり、共通点を探し出すための論理が飛躍しすぎていたりすると、帰納法は成立しません。
演繹法
定められたルールや基準に事象を当てはめ、その結果をもとに結論を導き出すという論理展開手法を“演繹法(えんえきほう)”といいます。
具体的には、“○○だから、××である”という論理を数珠つなぎにし、結論にたどり着くという考え方です。
有名な例としては、以下の“アリストテレスの3段論法”というものが挙げられます。
大前提 | すべての人間は死すべきものである |
小前提 | ソクラテスは人間である |
結論 | ゆえにソクラテスは死すべきものである |
式を繋げて結論を導き出すという方法であるため、数学の考え方に近いと言えるでしょう。
ちなみに、以下の両方が整っていなければ、演繹法は成立しません。
・すでに方針が存在していること
・既存の方針が正しいこと
帰納法と演繹法を組み合わせた方法について
ロジカルシンキングには、帰納法と演繹法を組み合わせた“ロジックツリー”、“ピラミッドストラクチャー”といった手法も存在します。
それぞれの特徴は以下の通りです。
特徴 | |
ロジックツリー | 物事を構成要素に分解し、問題の原因や解決策を導く際に使われるフレームワーク |
ピラミッドストラクチャー | 何らかの結論を主張したいときに、その結論の正しさを証明する根拠を並べるフレームワーク |
まとめ
仕組みさえ理解できれば、ビジネスの場で帰納法、演繹法のロジカルシンキングを実践することは可能です。
しかし、組織や従業員が十分な結果を得られるようになるまでには、それなりのトレーニングを積まなければいけません。
もし、本格的に従業員研修の機会を設けたいという組織があれば、コンサル会社への依頼も視野に入れてみましょう。
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