クリニックのチームビルディングにおいて重要なのは、メンバーが一致団結し、同じ目的に向かって最大限に力を発揮することです。
しかし、メンバーの能力が未熟である場合、なかなか目的に近づけず、もどかしさを感じることもあります。
今回は、そんなときに有効なダブルループ学習について解説します。
ダブルループ学習の概要
ダブルループ学習は、解決策を導き出すために、設定された目的や条件を検証し、思考や行動を見直す学習法です。
こちらは、アメリカの組織行動学者であるクリス・アージリスが提唱したもので、後述するシングルループ学習をリフレクションしていきます。
過去の成功体験にとらわれず、常に価値観を刷新していく方法であるため、チームビルディングが組織として進化を遂げるためには必要不可欠です。
シングルループ学習との違い
ダブルループ学習と真逆の意味を持つ言葉に、シングルループ学習というものがあります。
こちらは、すでに行われている方式や考え方に沿って問題を解決し、業務効率を向上させる方法です。
しかし、シングルループ学習では、行動と結果という2つの行為を繰り返すため、設定されている目的や目標が釣り合っていないとき、PDCAサイクルなどを何度繰り返しても、効果が期待できません。
一方、ダブルループ学習であれば、新たな角度、価値観から打開策を見いだせる可能性があります。
ダブルループ学習のメリット
クリニックのチームビルディングにおけるダブルループ学習のメリットは、主に以下の2つです。
・多角的な視点から課題を解決できる
・メンバーの成長をサポートできる
多角的な視点から課題を解決できる
ダブルループ学習を導入すれば、近眼的な思考から脱却でき、自由な観点で幅広く選択肢を想定できます。
前提を疑うことを基本的なスタンスとしているため、課題と向き合い、そのときどきのベストルートを見出すことを重視します。
メンバーの成長をサポートできる
チームビルディングを構成する各メンバーがダブルループ学習を実践すれば、個人レベルで柔軟な思考力が磨かれ、変化にチャレンジする姿勢が養われます。
また、このような変化に適応していく過程で、精神的または技術的な成長も期待できます。
もちろん、メンバーが成長すれば、個人の経験や学習、着想を活かし、変化に強く市場で勝ち残ることができるクリニックへ変革していきます。
ダブルループ学習の導入方法
チームビルディングでダブルループ学習を導入するには、以下の2つの方法を実践してみましょう。
・規格外の目標を設定する
・ブレインストーミングを行う
規格外の目標を設定する
ダブルループ学習を導入する際は、チームにおける目標を規格外のものに設定すべきです。
具体的には、以下のように従来の目標を変更します。
変更前 | 変更後 |
売上を10%伸ばす | 売上を10倍にする |
このように、現状のままでは到底達成できないであろう目標を掲げることで、前提を破壊し、根本的な部分から変えるしか方法がなくなります。
つまり、こちらの状況がダブルループ学習につながるということです。
ブレインストーミングを行う
ブレインストーミングは、問題の解決策や新しいアイデアを発見するために使用される集団発想法です。
複数人でアイデアを出し合い、短時間で多くのアイデアを集めることを目的としています。
チーム内の役職や社歴に関係なく、フラットな立場でブレインストーミングを行うことで、個人の考えを尊重する空気が生まれ、こちらは前提を疑う助けにもなります。
まとめ
ここまで、チームビルディングに採り入れたいダブルループ学習について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
チームビルディングでは、大きな変革が必要な場合もあり、その際の手法としてダブルループ学習はとても有効です。
また、メンバー個人の能力をアップさせたいのであれば、変革の一つとして、3up Projectなどのセミナーを活用するのもおすすめです。