“ロジカルシンキング”と“クリティカルシンキング”

ロジカルシンキングのこと

ビジネスシーンにおいて、業務効率化やコミュニケーション能力向上を図るための考え方はとても重要です。

そのような考え方として、“ロジカルシンキング”“クリティカルシンキング”というものが挙げられます。

今回は、これらにどういった違いがあるのかについて、詳しく解説しましょう。

ロジカルシンキングの概要

物事に筋道を立て、論理的に結論を導き出す考え方を“ロジカルシンキング”といいます。

“論理的思考”とも呼ばれ、近年はビジネスシーンで注目される機会も少なくありません。

代表的なロジカルシンキングの手法には、主に以下の3つが挙げられます。

手法 特徴
帰納法 いくつかの事実の共通点をまとめ、結論を導き出す手法
演繹法 前提を積み上げ、そこから結論を導き出す手法
弁証法 ある命題や主張と対立するアンチテーゼを提示し、双方を解決できる総合案に昇華させる手法

クリティカルシンキングの概要

主観や私情に左右されることなく、物事を平等な目線で判断する考え方を“クリティカルシンキング”といいます。

元々はアメリカの教育法の1つであり、昨今はロジカルシンキングと同じく、重要性が説かれることも多くなってきました。

ロジカルシンキングが“論理的思考”と訳されるのに対し、クリティカルシンキングは“批判的思考”と訳されます。

もちろん、批判的とはいっても、決してネガティブな考え方ではありません。

ある前提に対し、「本当に正しいのか?」という批判的な問いかけをすることからこう呼ばれています。

ちなみに、クリティカルシンキングの手法には、前述した帰納法や演繹法などの他に、“ズームイン”“ズームアウト”というものがあります。

それぞれの特徴を見てみましょう。

手法 特徴
ズームイン 課題を定義し、「どのように解決するのか」を考える手法
ズームアウト 定義された課題に対し、「これは何のために行うのか」を考える手法

双方の違いについて

ロジカルシンキングは、考え方に明快な道筋がある分、情報を整理したり、わかりやすく人に説明したりする際には力を発揮します。

一方、クリティカルシンキングは、与えられた問いかけが正しいのかについて、客観的な視点で検証し、物事の本質を見極める際に用いられるものです。

わかりやすくいうと、ロジカルシンキングに客観性がプラスされたものが、クリティカルシンキングというイメージです。

その他、“疑う”という過程があるかないかも、双方の考え方における大きな違いと言えるでしょう。

考え方 特徴
ロジカルシンキング 課題や問題に対して筋道をつくり、要素を細分化して結論を導き出す
クリティカルシンキング 問いや前提条件が正しいのかを疑い、無意識に制限していることがないかを客観的な視点で検証して、物事の本質を見極める

それぞれの使い方について

ロジカルシンキングは、ビジネスシーンにおける考え方の基本であり、「〇〇という前提があるから××という結果になる」など、因果関係をメインに考えます。

よって、以下のような場面で使うことが望ましいでしょう。

・業務を行うにあたって、自身の脳内を整理する場面
・他の従業員、他社への説明を行う場面 など

一方、クリティカルシンキングは、以下のような場面で使用することにより、効果を発揮する可能性が高いです。

・問題が行き詰まり、解決策を模索したい場面
・視野を広げ、自由に思考したい場面 など

ちなみに、これらの考え方は、1つの課題や問題に対し、組み合わせて使うことも可能です。

まとめ

ここまで、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いを中心に解説しましたが、ご理解いただけたでしょうか?

どちらもビジネスの現場において必要な考え方であり、なおかつ日々意識することで、少しずつ身に付けることができる能力であることは間違いありません。

従業員の意識が低いことで悩んでいる組織や企業は、一度コンサルタントなどに相談することをおすすめします。

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