クリニックのチームビルディングを構成するメンバーは、実績や技術だけでなく、年齢も異なります。
そのため、院長先生は世代に合った付き合い方をしなければいけません。
今回は、チームビルディングにおける“さとり世代”のメンバーとの接し方や、注意すべき点について解説します。
さとり世代の概要
さとり世代は、欲求が少なく、夢を追うよりも安定した生活を望む世代です。
悟りを開いているように見えることが名前の由来です。
いわゆる俗語であり明確な定義はありませんが、1988~1997年頃、もしくはより広く1983~2004年頃に生まれた方を指すことが多いです。
さとり世代は、阪神淡路大震災や東日本大震災、バブル崩壊や就職氷河期を見聞きしたり、経験したりしています。
そのため「人生にはどのような悪いことがあっても不思議ではない」という悲観的な考えを持ちやすく、安定志向または現実主義になったと言われています。
さとり世代のメンバーと接する際のポイント
クリニックのチームビルディングにおいて、院長先生がさとり世代とメンバーと接する際は、以下のポイントを押さえるべきです。
・チーム間のつながりを深める
・主体性を重んじた提案を行う
・指摘にはPNP法を使う
各項目について詳しく説明します。
チーム間のつながりを深める
さとり世代のメンバーは、チームへの帰属意識が低く、ワークライフバランスを大切にしたいと考えている方が多いです。
また人間関係での面倒ごとを避けるために、相手に気を遣いすぎることも多く、チーム内でも気を遣ってしまい、コミュニケーションがおろそかになる傾向にあります。
そのため院長先生は、些細な言葉でも積極的にかけるようにし、チームで話しやすい空気の醸成を図るべきです。
主体性を重んじた提案を行う
さとり世代のメンバーに業務の提案を行う際、院長先生は「〇〇については○○が良いと思うけど、どうかな?」など、相手の主体性を重んじた内容にしましょう。
逆に「〇〇はやめて○○にしてほしい」といったように、指示をするだけという状況だと、指示を命令と捉えられてしまう可能性があります。
指摘にはPNP法を使う
さとり世代のメンバーに指摘をする際には、やる気を削がないようにPNP法を用いましょう。
PNP法は指摘をする際、その前後に誉め言葉を挟むという方法です。
Positive、Negative、Positiveの頭文字をとってこう呼ばれています。
例えば、「業務のスピードが遅い」という指摘だけを行うと、さとり世代にとって後味の悪い内容になります。
一方、以下のような内容であれば、指摘しても暗い気持ちにさせることがありません。
・「仕事に積極的で良いね。
でも業務が少し遅れているから、〇〇から先に片付けた方が良いよ。
積極的な部分は誰よりも優れているから、引き続き自身を持ってね。」
さとり世代のメンバーと接する際の注意点
さとり世代はプライベートを重視しているため、そこにはできる限り踏み込まないようにしましょう
プライベートが侵されていると感じると、業務に対するモチベーションを低下させてしまうことがあります。
特にクリニックの業務時間外のことについては、深く詮索をしないことが大切です。
またさとり世代はゆとり教育を経験していたり、デジタルネイティブであったりするため、仕事においても具体的かつ論理的な考えを持っています。
そのため院長先生は、「とにかく頑張れ」「根性で乗り切れ」といった精神論や根性論を語らないようにしましょう。
まとめ
クリニックのチームビルディングでは、現在20~30代であるさとり世代のメンバーが中心になるケースも少なくありません。
そのため、院長先生はさとり世代と適切に接することが、チームビルディングの目標達成を後押しすると考えておきましょう。
またさとり世代のスキルに不安を抱いているのであれば、3up Projectの受講を提案しても良いかもしれません。