クリニックのチームビルディングにおいて重要なのは、やはりメンバーの業務スキルです。
しかしチームとしての一体感がなければ、同じ目標に向かっていくことはできません。
また一体感を出すためには、院長先生とメンバーの関係性も重要です。
今回は、チームビルディングに必要不可欠なラポールについて解説します。
ラポールの概要

ラポールは、フランス語で“橋を架ける”という意味の言葉で、主にセラピーや心理学で用いられています。
チームビルディングなどビジネスの現場では、“調和した関係”という意味を持ち、信頼関係やリラックスできる関係を意味しています。
つまり院長先生とメンバーのラポールが形成されているということは、院長先生とメンバーが互いに信頼し合い、良い人間関係を築いているということになります。
チームビルディングにおけるラポール形成のメリット

チームビルディングにおいて、院長先生とメンバーのラポールを形成することには、以下のようなメリットがあります。
・人間関係が円滑になる
・説得力が高まる
・メンバーの本音を聞き出せる
院長先生とメンバーとの間で形成されるラポールは、メンバーに安心感をもたらします。
この安心感が円滑な人間関係を生み、チームの一体化や業務の効率化などにつながります。
またラポールが形成された関係性においては、相手に話を聞いてもらいやすくなります。
人は好意を持つ相手の話をポジティブに捉える性質を持っているからです。
さらに院長先生とメンバーが信頼関係で結ばれていれば、メンバーは院長先生への警戒心がなくなることから、本音を話してくれやすくなります。
こちらは、不満が溜まった末の離職を防止できます。
ラポール形成のテクニック

院長先生がメンバーとのラポールを形成するためには、主に以下のテクニックを使用します。
・ミラーリング
・マッチング
・キャリブレーション
・バックトラッキング
ミラーリングは、相手の仕草や姿勢を模倣して真似るものであり、自然に行うことでラポールの形成につながります。
マッチングは声のトーンやスピードを相手に合わせるテクニックで、キャリブレーションは言葉以外の要素から相手の心理を把握するというものです。
マッチングやキャリブレーションは、相手のことを思いやり、なおかつ理解していることをアピールするために行います。
またバックトラッキングは、意味を変えず適宜言葉を言い換えながら、相手の言葉と同じ言葉を返す手法です。
相手が伝えたいと思っている話題で実践すると、より効果を発揮します。
ラポール形成における注意点

院長先生がメンバーとラポールを形成するためには、少しずつ会話を重ねて話しを引き出し、徐々に理解や共感を示していくことが大切です。
あまり関りがない状態で無理に話をさせようとしたり、理解や共感を示したりしても、「本当にわかっているのか」と警戒される可能性があります。
また前述の通り、ラポール形成にはさまざまなテクニックがありますが、いずれの方法も意識しすぎるとわざとらしくなるため、注意が必要です。
しつこく相手の真似をしたり、発言を繰り返したりしていると、ラポールの形成どころか関係性は悪化してしまいます。
さらにラポール形成に欠かせないのが、メンバーの観察です。
日頃からメンバーの動作や表情、声色などの特徴に目を配り、情報を集めることで、適切な対応ができ信頼関係も築きやすくなります。
まとめ
チームビルディングにおいて院長先生は、ただメンバーが粛々と業務をこなすような環境をつくるべきではありません。
メンバー全員の力が結託してはじめてチームビルディングは成立するため、日頃からラポールの形成は常に意識しておきましょう。
またメンバーのスキルについては、院長先生の力だけでなく、3up Projectなど外部セミナーの力も借りながら育てていくべきです。