チームビルディングの目標を達成するためには、各々がスキルを最大限に生かし、チーム一丸となって与えられた業務をこなす必要があります。
しかし、メンバーの一部に“静かな退職”の傾向が見られた場合、目標達成は難しくなる可能性があります。
今回は、チームビルディングで防止したい静かな退職について解説します。
静かな退職の概要
静かな退職は、メンバーが業務を継続しながらも、モチベーションや積極性を失い、最低限の業務しか行わなくなる状態です。
正式にチームを抜けたり、クリニックを退職したりするわけではないため、見過ごされがちですが、チーム全体の生産性に悪影響を与えることがあります。
静かな退職が増えている背景や原因
近年はクリニックのみならず、組織全体で静かな退職が増えている傾向にあります。
その背景には以下のような事情があります。
・働き方の変化
・メンタルヘルスへの意識の高まり
・従業員エンゲージメントの低下
かつては高い給与や役職を獲得するためなら、長時間労働をいとわないという方が多く存在しました。
しかし近年は、仕事よりもプライベートを優先したい方が増加しています。
このような働き方の変化により、従来の“頑張る働き方”に疑問を抱き、静かな退職を選択する方が増えています。
特にZ世代などの若い世代には、この傾向が顕著に見られます。
また過度な労働によるメンタルヘルス問題が社会問題となる中、自身のメンタルヘルスを保つために、静かな退職によって自己管理を徹底する方も増えています。
さらに組織において正当な評価を受けていないことなどから、従業員エンゲージメントが低下することも、静かな退職につながります。
チームビルディングにおける静かな退職の影響
多くのメンバーで静かな退職の傾向が見られる場合、クリニックのチームビルディングには以下のような影響が出ます。
・生産性の低下
・リスクマネジメントの低下
・他のメンバーの負担増加
・人材不足
静かな退職を行うメンバーが増えると、当然業務の生産性は全体的に低下します。
またこのようなメンバーは、チームに問題があるとわかっていてもそれを指摘し、改善しようという動機を持ちにくくなるため、リスクマネジメントの低下にもつながります。
その他、モチベーションや積極性を失ったメンバーをカバーしなければいけないことから、他のメンバーの業務量や負担が増加することもデメリットです。
ちなみに他のメンバーの負担が増えると、チームビルディングはやる気のあるメンバーさえも離職によって失ってしまう可能性があります。
そこから人材不足⇒個々の負担増加という悪循環に陥ることも考えられます。
チームビルディングにおける静かな退職を防ぐには?
クリニックの院長先生は、メンバーの静かな退職を防ぐために以下の対策を取るべきです。
・メンバーの負担を減らす
・適切な評価を行う
・心理的安全性のある環境をつくる
メンバーにおける業務の負担や悪影響を緩和すれば、モチベーションが高まり、静かな退職を防げる可能性があります。
またメンバーの業務や期待役割を明確にし、パフォーマンスに対する適正な評価と報酬を行うことも大切です。
その他、各メンバーの声に耳を傾けつつ、院長先生や役職者などからのフィードバックやサポートを提供することも有効です。
こちらはつまり、メンバー同士の信頼関係や、心理的安全性のある環境をつくるということです。
まとめ
クリニックのチームビルディングに若い世代が多い場合、静かな退職には特に気を付けなければいけません。
ある程度モチベーションと積極性のあるメンバーがいなければ、チームビルディングは頓挫してしまう可能性があります。
また単純に各メンバーのスキルが物足りないことで悩んでいるクリニックは、3up Projectなどのセミナーも活用してみましょう。