クリニックのチームビルディングでは、各メンバーが自身の強みを発揮できるよう、労働環境を整える必要があります。
そのため、ハラスメントの類は徹底的に排除しなければいけません。
今回は、クリニックの院長先生に向けて、チームビルディングで避けるべきケアハラスメントについて解説します。
ケアハラスメントの概要
ケアハラスメントは、働きながら介護を行う方に対して行われる嫌がらせや、不利益を与える行為です。
ケアハラと略されることもあります。
例えば、介護が理由で残業ができなかったり、休まなければいけなかったりするメンバーに対し、以下のような行為を行うことが該当します。
・人事評価を下げる
・介護休暇の取得を阻害する
・尊厳を傷つける など
介護休業は、育児・介護休業法で認められた労働者の権利であり、こちらを阻害する行為は法令違反になります。
クリニックは、まだ介護に対して理解を示すことも多いですが、実際はケアハラスメントが横行しているようなところも存在します。
ケアハラスメントの原因
クリニックのチームビルディングにおけるケアハラスメントの原因は、主に以下の通りです。
・世の中にあまり浸透していない
・業務の見通しが立てづらい
・性別的な観点がいまだに残っている
ケアハラスメントという言葉は、セクシャルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメント(パワハラ)と比べてまだそこまで浸透していません。
そのため、院長先生や他のメンバーが無意識に行ってしまう節があります。
また介護がいつまで続くのかわからず、業務の見通しが立てづらいため、負担が増えているメンバーの不満が募り、ケアハラスメントに発展することもあります。
さらに、いまだに「介護は女性がするものだ」という性別的な固定観念が残っていることも原因の一つです。
チームビルディングにおけるケアハラスメントのデメリット
チームビルディングでケアハラスメントが発生した場合、ハラスメントを受けたメンバーはクリニックに対する信頼性を失います。
場合によっては、そのまま退職してしまうことも考えられます。
またケアハラスメントの問題が公になると、クリニックは信用や評判を大きく損なう可能性があり、今後の人材確保や取引先との関係にも悪影響を及ぼします。
チームビルディングにおけるケアハラスメントの対策
クリニックのチームビルディングでケアハラスメントをなくすためには、まず院長先生がしっかりとケアハラスメントについて理解する必要があります。
その上で、以下のような対策を取るべきです。
・クリニックの方針を明確にする
・研修を実施する
・相談窓口を整備する
・アンケートやヒアリングを実施する
院長先生は、院内におけるケアハラスメントを許さないという意思表示を行い、抑止力を高めることが大切です。
またケアハラスメントに関する研修を実施し、メンバーに正しい知識を身につけさせたり、万が一ケアハラスメントがあった場合の相談窓口を設置したりしておくべきです。
相談窓口の相談員については、男女混合かつ複数人の担当者を配置できればベストです。
さらに院内の実態を把握するため、メンバー向けのアンケートやヒアリングも実施しましょう。
アンケート結果やヒアリング内容を分析すれば、実態の把握とハラスメント問題の有無を特定できます。
アンケート実施後に防止策を講じることができれば、メンバーの信頼を得る効果も期待できます。
まとめ
ケアハラスメントの概要でも触れましたが、院長先生を含め、クリニックには介護に理解を示すメンバーが在籍するケースも多いです。
しかしだからといって何も対策を取らずにいると、ケアハラスメントが発生し、クリニックのチームビルディングや経営にとって大きな打撃になることも考えられます。
またハラスメント関係を含めた、医療従事者としての意識の低いメンバーがいる場合は、3up Projectを活用してみましょう。