クリニックのチームビルディングでは、所属するメンバーそれぞれが最大限に力を発揮できる環境づくりが大切です。
しかし、さまざまな要因により、そのような環境づくりが阻害されてしまうことがあります。
今回は、クリニックのチームビルディングにおけるペイシェントハラスメントの概要や対策について解説します。
ペイシェントハラスメントの概要
ペイシェントハラスメントは、患者さんがクリニックの医師や従業員に対し、さまざまな迷惑行為を行うというものです。
このような行為を行う患者さんはモンスターペイシェントと呼ばれ、医療業界以外でいうところのカスタマーハラスメントと同義です。
またハラスメントの内容によっては、クリニック側が法的措置を取ることも可能です。
ペイシェントハラスメントの具体例
クリニックで発生するペイシェントハラスメントには、主に以下のような内容のものがあります。
・言葉の暴力
・身体的な暴力
・セクシュアルハラスメント
・治療費の未払い など
患者さんやその家族が医療従事者に対し、理不尽に暴言や罵声を浴びせる行為はペイシェントハラスメントに当たります。
また言葉だけでなく、患者さんが身体的な暴力をふるうこともあります。
こちらは突き飛ばしや殴打などの行為が含まれます。
さらに患者さんが医療従事者に対して不適切な身体接触、性的な発言といった嫌がらせを行うケースもあります。
その他、診察内容や医療従事者の態度などにいちゃもんをつけ、治療費を支払わないというモンスターペイシェントも度々見られます。
クリニックのチームビルディングにおけるペイシェントハラスメントの影響
クリニックでペイシェントハラスメントが横行してしまうと、当然医師や従業員はその都度対応に追われることになります。
その結果業務効率が悪くなったり、他の患者さんに不快な思いさせたりすることにもつながります。
またチームビルディングのメンバーがペイシェントハラスメントを受け続けると、精神的負担は大きくなっていき、離職率の上昇につながるおそれもあります。
もちろんメンバーが不足すれば、他のメンバーの負担が大きくなったり、当初の目的を果たせなくなったりすることも考えられます。
そのため、ペイシェントハラスメントの事実が確認できた場合、クリニック側は早急に対処しなければいけません。
ペイシェントハラスメントの対策
クリニックがペイシェントハラスメント対策として講じるべきことには、主に以下のようなことが挙げられます。
・十分なコミュニケーションや説明を行う
・必要最低限の発言、対応にとどめる
・メンバー間の連携を高める
医師や従業員は患者さんと丁寧なやり取りを行ったり、患者さんやその家族の思いを傾聴したりすることで、ある程度ペイシェントハラスメントを予防できます。
また必要以上の発言や対応を行わないことにより、ペイシェントハラスメントの危険因子を減らす方法も有効です。
もちろん患者さんから質問があれば答えますが、特にその医師や従業員における専門外のことについては、無理に対応しないことをおすすめします。
ちなみに、ペイシェントハラスメントが発生した場合には、複数人で対応することが大切とされています。
暴力やセクハラ等は一人で対応すると危険な場合もありますし、複数人で対応すれば聞き間違いや“言った・言わない”のトラブルも防ぎやすくなるからです。
そのため、普段からメンバー間の連携を高めておくことが大切です。
まとめ
ペイシェントハラスメントは、クリニックの経営においても、チームビルディングにおいても大きな障害となるものです。
もし院長先生が発見したのであれば、大事になる前に対処しなければいけません。
また、患者さんからのクレームなどが相次ぐ場合には、従業員の対応などに問題があるかもしれません。
そのような場合には、ぜひ3up Projectを活用してみてください。