クリニックの院長先生は、チームビルディングを構成するメンバーに対し、常に力を発揮できる環境を提供しなければいけません。
またその一環として、自己効力感を高めるという方法があります。
今回は自己効力感の概要や、どのようにして自己効力感を高めるのかなどについて解説します。
自己効力感の概要
自己効力感は、目標達成能力をメンバー自身が持っていると認識することです。
簡単にいうと自信です。
社会的認知理論の中で使用される心理学用語の一つで、スタンフォード大学教授のアルバート・バンデューラ博士によって提唱されました。
ちなみに似た言葉に自己肯定感がありますが、こちらは“できてもできなくても、ありのままの自分を受け入れる力”を指しています。
一方で自己効力感は、“自分はできると信じられる力”を意味しています。
メンバーの自己効力感が高いことのメリット
チームビルディングのメンバーにおける自己効力感が高いことには、以下のようなメリットがあります。
・チャレンジ精神が旺盛になる
・失敗しても立ち直ることができる
・高いモチベーションを維持できる
自己効力感が高いメンバーは「自分ならできる」という考えを持っているため、未経験の分野の業務においても積極的に挑戦します。
また「最終的にはできる」と信じていることから、失敗をおかしても立ち直りやすくなります。
さらに「自分ならできる」と思えることを増やすために、自身の能力を向上させようとします。
そのため、常に向上心を高く持ち、高いモチベーションを維持し続けます。
メンバーの自己効力感を高めるには?
チームビルディングのメンバーの自己効力感を高めるには、以下のことを実践するのが有効です。
・達成経験をさせる
・社会的説得をする
・代理体験をさせる
・気持ちや体調を落ち着かせる
多くの達成経験をさせるほど、メンバーは困難な課題に対しての不安感が薄れ、前向きに取り組むようになります。
また院長先生をはじめとする他者から自身のスキルや能力を評価されることでも、自己効力感は高まります。
さらに他者の成功体験を観察させることで、自己効力感を高めることもできます。
こちらは代理体験と呼ばれるものです。
ちなみに、自己効力感にはメンバーの体調や感情も影響します。
気持ちが落ち着いていると良い結果を生み出しますが、不安を感じていたり体調不良だったりする場合は、自己効力感が低くなります。
メンバーの自己効力感を高める際の注意点
院長先生がメンバーの自己効力感を高める際には、以下の点に注意すべきです。
・難しすぎない目標を設定する
・アドバイスをしすぎない
・失敗したときにはフォローをする
メンバーに達成経験をさせるためには、難しすぎずなおかつ簡単すぎない目標を設定することが大切です。
具体的には、現状のスキルや経験を踏まえ、メンバーが「少し努力すれば達成できそう」と思える難易度の目標設定を意識します。
適切な難易度になっていない場合は、目標を見直し調整することも検討します。
またアドバイスをしすぎると、メンバーは自身の力で達成したと思いにくくなるため、あくまで最低限のアドバイスを送る程度にとどめておきます。
もちろん、メンバーが達成経験を積んでいる際に失敗した場合、院長先生はフォローすることを忘れてはいけません。
失敗した際の状況を放置しておくと、かえって自己効力感が下がってしまうおそれがあります。
まとめ
チームビルディングのメンバー全員が自己効力感に満ち溢れていれば、チームとしての目標を達成できる可能性は格段にアップします。
またメンバーが主体性を持って業務を進めることで、院長先生の負担も大幅に軽減されます。
もしスキルが未熟であり、なかなか自己効力感が高まらないメンバーがいるのであれば、3up Projectなどを活用して効率的なスキルアップを目指しましょう。