複数のメンバーで構成されるクリニックのチームビルディングでは、最初からすべてのメンバーの意見や方向性が一致するとは限りません。
またチームが同じ方向に向かっていくには、各メンバーのネゴシエーションスキルが必要不可欠です。
今回はネゴシエーションスキルの概要やメリット、トレーニング方法などを解説します。
ネゴシエーションスキルの概要
ネゴシエーションは交渉を意味する言葉であり、ネゴシエーションスキルは交渉力と訳されます。
一般的にネゴシエーションという言葉からは、駆け引きや議論などで相手を打ち負かし、一方的に有利な条件を引き出すタフな交渉の場面が想像されがちです。
しかし実際はこういった敵対的なものではなく、双方にとってのメリットを考え、お互いの最善策を探る話し合いのことを指しています。
ネゴシエーションスキルが注目される背景
クリニックを含む社会やビジネスの環境が変化したことにより、組織ではより柔軟性のある対応が求められています。
そのため、ネゴシエーションスキルを持つ人材は必要不可欠です。
また現代のチームビルディングおいては、単純な命令指示ではメンバーが答えてくれないことも多いです。
特にZ世代などの若いメンバーに対しては、ネゴシエーションスキルを用いた温かみのある対応が重要になっています。
もちろん院長先生からメンバーに対してだけでなく、メンバー間のやり取りでもネゴシエーションスキルが発揮されることが望ましいです。
メンバーのネゴシエーションスキルが向上するメリット
チームビルディングのメンバーがネゴシエーションスキルを向上させることで、以下のようなメリットが生まれます。
・メンバー間の信頼関係が築ける
・コミュニケーションがスムーズになる
・成果を得るための話し合いが行われる
メンバーがネゴシエーションスキルを上げるにつれて、他のメンバーの気持ちが理解できるようになります。
こちらはメンバー間の信頼関係につながります。
またネゴシエーションスキルが高ければ、他のメンバーとの距離感を縮めながら交渉を進めていくことができ、円滑なコミュニケーションを生み出します。
さらに、ネゴシエーションスキルを上げれば、メンバーは成果を得るために何を話すべきなのかを把握できます。
そのため、主体性を育むことができ、院長先生における管理職としての負担もある程度軽減されます。
ネゴシエーションスキルのトレーニング方法
チームビルディングのメンバーにおけるネゴシエーションスキルを鍛える場合には、以下のような方法がおすすめです。
・ネゴシエーションの基本概念の教育
・倫理的思考の植え付け
・ゲームを取り入れた研修
院長先生は、まず各メンバーに交渉の基本的な概念を身につけさせなければいけません。
こちらの段階を踏むと、現実の複雑な交渉を深く理解させることが可能です。
また交渉をスムーズに進めるには、複雑な内容を頭の中で整理し、シンプルに変換する論理的思考が必要です。
そのため、論理的思考のトレーニングについても、院長先生は実施すべきだと言えます。
ちなみにネゴシエーションスキルの研修では、ゲームを適宜採り入れることをおすすめします。
ゲームはリラックスして研修に取り組めるだけでなく、メンバー同士のコミュニケーションが深まるというメリットがあります。
さらに楽しみながらのトレーニングはメンバーの記憶にも残り、効果をさらに高めると考えられています。
まとめ
ネゴシエーションスキルは一朝一夕で身につくようなものではないため、院長先生はしっかり計画を立ててメンバーに浸透させる必要があります。
また中にはどれだけ能力が高くても、交渉の場において言葉に変換するのが苦手というメンバーもいます。
このような場合は別の研修を行ったり、3up Projectなど外部のセミナーを活用したりする方法がおすすめです。