クリニックのチームビルディングにおいて、すべてのメンバーが同じ目標に向かって業務をこなすことは、もっとも重要と言っても過言ではありません。
またメンバーに同じ方向を向いてもらうためには、院長先生のビジョンメイキングが必要になってきます。
今回は、ビジョンメイキングの概要やメリットなどについて解説します。
ビジョンメイキングの概要
ビジョンメイキングは、チームを統率するリーダーが各メンバーのモチベーションを高めるために行うビジョンの設定です。
チームビルディングのメンバーは、自身のビジョンを明確に描けていなかったり、それぞれ思い浮かべるビジョンが異なったりします。
そのため、院長先生がそのサポートとしてビジョンメイキングを行うのは大事なことです。
特にチームビルディングでは、チームが描くビジョンと各メンバーが描くビジョンが一致していなければ、プロジェクトの成功は難しくなります。
ビジョンメイキングのメリット
チームビルディングにおけるビジョンメイキングには、以下のようなメリットがあります。
・業績が向上する
・団結力が向上する
・ライフプランニングにも活用できる
ビジョンメイキングにより、チームが目指すべき姿をメンバー全員で共有できれば、各メンバーが目標の達成を念頭に置いて業務を行うようになります。
こちらはチームビルディングとしてのゴールだけでなく、クリニックの業績アップにもつながります。
また適切な目標設定と価値の創出を行うことにより、メンバーの向かうべき方向を指し示し、各メンバーが一丸となって取り組めるように指示を出せます。
このようにメンバーの団結力が向上することは、メンバーにとっても院長先生にとってもメリットのあることです。
メンバーは目標が明確になりますし、院長先生は指示の効率化や負担軽減につながるからです。
ちなみに、ビジョンメイキングはメンバーのライフプランニングにも応用できます。
メンバーは、各ステージにおけるビジョンを達成していくために、業務に対するモチベーションを向上させます。
ビジョンメイキングの進め方
チームビルディングでメンバーのビジョンメイキングを行うには、メンバー本人の役割や、どういった人物と関わるのかを認識させる必要があります。
具体的には質疑応答形式で現在の自身の状況、将来の理想の自分とのギャップを把握させ、アクションプランを立てさせます。
アクションプランは、“いつまでに”、“何を”、“どうするか”を具体化し行動に移すことです。
またメンバーにとって価値のあるビジョンを設定し、1年後・3年後・5年後といったように、ゴールまでの各地点の自分、将来の理想の自分の姿を具体的にイメージさせます。
もちろんそのためにはこれまでの業務に対する姿勢、現在の業務上の課題、今後必要となる能力などを明示し、クリアしていくことをミッションにしなければいけません。
ビジョンメイキングの注意点
ビジョンメイキングでは、すべてのメンバーがビジョンに賛同するとは限りません。
院長先生の思いに共感することが難しいメンバーが一定数いることは、ごく自然なことです。
しかし、このときは必ず賛同しなかったメンバーに寄り添うことが大切です。
具体的には、社会的・普遍的価値があるビジョンについて丁寧に理解を促し、賛同してもらえるように働きかけるようにしましょう。
またビジョンメイキングにより、メンバーの行動が何らかの成果を生んだ場合には、評価できる体制も必要になります。
まとめ
院長先生は、クリニックのチームビルディングにおけるリーダーですが、統率とワンマンを履き違えてはいけません。
あくまでメンバーが気持ち良く、高いモチベーションを維持しながら目標に向かえるシステムづくりが大切です。
また単純に医療従事者としての能力に不安があるメンバーについては、3up projectなどのセミナーを受講させることも考えましょう。