各メンバーが最大限に力を発揮し、一つの目標を達成するために、クリニックのチームビルディングは構成されています。
しかし、院長先生や管理職のメンバーの考え方や行動によっては、このようなチームづくりが妨げられてしまうことがあります。
今回は、チームビルディングで避けるべきグラスシーリングについて解説します。
グラスシーリングの概要
グラスシーリングは、性別や国籍、人種差別といった本来の実力とは関係ないことが要因となり、正当な評価がされない状態です。
日本語ではガラスの天井と呼ばれます。
グラスシーリングという言葉は、特に女性の上級管理職への昇進が阻まれる状態に対して使用されることが多いです。
ちなみにグラスシーリングは日本だけでなく、アメリカなどの諸外国でも発生しています。
例えば、過去アメリカの大統領選挙に立候補したヒラリー・クリントン氏は、ガラスの天井という言葉に何度も触れ、グラスシーリングに対する課題を示しました。
グラスシーリングのデメリット
グラスシーリングのデメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
・メンバーが能力を発揮できない
・離職者が増える
クリニックのチームビルディングでグラスシーリングが発生すると、対象となっているメンバーが能力を十分に発揮できません。
女性というだけで正当な評価を行わなかった場合、そのメンバーのモチベーションは低下してしまうからです。
また、当然グラスシーリングの対象となったメンバーは、離職のリスクも高まります。
さらにそのような現場の状況が常態化すると、他のメンバーのモチベーションやスキルアップにも悪影響を及ぼします。
グラスシーリングを解消することで得られるメリット
チームビルディングにおいてグラスシーリングを解消することができれば、以下のようなメリットが得られます。
・業績の向上
・人件費の削減
グラスシーリングの解消は女性の活躍につながり、クリニックの業績向上に寄与する可能性もあります。
特に、クリニックは女性の従業員が多い業界であるため、絶対にグラスシーリングは排除しなければいけません。
また女性メンバーに不当な評価を行っているクリニックは、その分優遇しているメンバーに対し、余計なコストをかけていると考えることもできます。
そのため、特定の層への優遇をやめ、メンバーの能力に見合ったコストに改めるようにしましょう。
そうすることで、ある程度人件費は削減できます。
グラスシーリング解消のためにクリニックが行うこと
すでにグラスシーリングの傾向があるクリニックでは、まず組織風土や意識の改革を行うところから始めましょう。
院長先生が強いジェンダー平等の意識を持つことはもちろん、それに関する研修を全メンバーに対して定期的に実施するのが大切です。
またトップダウンでの改革だけでなく、メンバー一人ひとりが自身の行動や態度を見直し、互いを尊重し合う文化を築くことが求められます。
さらに、メンバーの評価基準を見直すことも、グラスシーリング対策の一つです。
具体的には、労働時間ベースの評価から成果・生産性に基づく評価に移行することが望ましいです。
このような変更により、残業や長時間勤務が評価される文化から脱却し、実際の業務の成果と影響に重点を置いた公平な評価が可能になります。
こちらの対策については、男性メンバー、女性メンバーのいずれも求めていることです。
まとめ
院長先生には、チームビルディングのメンバーを適材適所に配置するという大きな役割があります。
しかし、グラスシーリングの傾向が強い現場では、適切な人員配置が実施できない可能性が高いです。
そのため、フラットな目線で各メンバーを評価することを意識しましょう。
またメンバーのスキルが全体的に足りないという場合は、3up Projectを受講させるのも一つの手です。