日本の企業における教育研修は、これまでOJTを中心に実施され、数々の成果を上げてきました。
しかし、近年はこちらと対照的な手法である“OFFJT”にも注目が集まっていて、実際導入する企業も増加しています。
ここからは、OFFJTの概要とOJTとの違い、また、効果を高める方法などについて解説していきます。
OFFJTの概要
OFFJTとは、Off The Job Trainingの略で、現場から離れた場所で研修を行う手法のこと指しています。
具体的には、企業の外部から講師を招いて実施する企業内集合研修や、外部スクール、セミナー、通信教育といったものが該当します。
スタイルにも多様性があり、座学だけでなく、グループワークやセッション方式で行われることも珍しくありません。
ちなみに、OFFJTに参加するのは、新入社員のみとは限りません。
これから管理職を目指す方や中堅社員、専門性の高い業務を行う方向けに実施されることもあります。
OFFJTとOJTは何が違う?
OJTは、On The Job Trainingの略であり、実際現場で業務を通して行う教育手法のことを指しています。
つまり、OFFJTとOJTには、まず“現場で行う”、“現場から離れている”という大きな違いが1つあるということです。
もちろん、違いはそれだけではありません。
以下のように、内容や実施することによって得られる効果も、OFFJTとOJTでは大きく異なります。
OFFJT | OJT | |
実施場所 | 外部 | 企業の現場 |
教育担当者 | 外部の講師 | 企業の役職者、中堅社員など |
研修の内容 | 標準化、品質がコントロールされた体系的な研修を実施 | 受講者に合った独自のカリキュラムを提供 |
研修の効果 | 学習すべきポイントを研修カリキュラムに意図的に組み込めるため、基礎的な知識を得られる | 現場の業務の中で指導・研修を受けるため、得た知識や技術をすぐに活用できる |
研修にかかるコスト | 金銭的コストはかかるものの、指導者の負担は軽減される | 低コストで済むものの、指導者の体力的・時間的負担は大きくなる |
OFFJTの効果を高める方法
企業がOFFJTの効果を高めるためには、以下のことを意識しましょう。
・OJTと組み合わせる
・従業員同士がコミュニケーションを取りやすい環境にする
OJTと組み合わせる
OFJJTの効果を高める一番の方法としては、やはりOJTと組み合わせることが挙げられます。
これら2つの手法は、それぞれのメリット・デメリットを補い合っています。
例えば、OFFJTであれば、業務の手を止めずに研修を実施できますが、OJTにこちらのメリットはありません。
一方、OJTにはアウトソーシング費用、大人数を集めて研修を実施するための準備、交通費といった負担がありませんが、OFFJTの場合はコストが大きくなるおそれがあります。
その他、OJTは研修内容にバラつきがあるため、単独で実施すると、従業員間のスキルに大きな開きが出ることも考えられます。
これらを組み合わせて実施すれば、企業にとっても従業員にとっても、効率的でより内容の濃い研修になるでしょう。
従業員同士がコミュニケーションを取りやすい環境にする
外部において、座学形式で実施されるケースが多いOFFJTは、主に基礎知識を学ぶことを目的として実施されます。
その他、普段あまり接点のない従業員同士が交流する場としての役割も期待されています。
他部署の業務方法、内容を聞くだけでも、従業員にとっては刺激になりますし、OFFJTを通じて太いつながりになれば、こまめに意見交換をする仲へと発展し、企業にとって何らかのプラス要素が生まれるかもしれません。
よって、企業はただ単にOFFJTを実施するだけでなく、なるべく多くの従業員がコミュニケーションを取ることができるよう、シームレスな環境を整えましょう。
まとめ
ここまで、OJTとは対照的なOFFJTの詳細を解説してきました。
いかがでしたでしょうか?
双方のメリット・デメリットを把握し、うまく組み合わせることで、従業員ひいては企業全体の成長につながります。
それぞれの導入方法、組み合わせ方があまり理解できないという企業は、外部のコンサル会社などに問い合わせることも考えましょう。
また、弊社は医療総合コンサルティング会社で御座います。
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