医療現場では、さまざまな形で従業員の研修が実施されています。
中でも“OJT研修”は重要なものであり、こちらはしっかり時間を使って遂行しなければいけません。
今回は、OJT研修の概要や実施する目的、適切な進め方などについて解説しますので、医療従事者の方はぜひ最後までご覧ください。
OJT研修の概要
職場における業務の中で、個別的に行う研修を“OJT研修”といいます。
こちらは“On the Job Training”の略であり、研修対象者には実践的な場で求められる能力、スキルを発揮することが求められます。
医療現場だけでなく、あらゆる業界、組織で採用されているもので、例を挙げると枚挙に暇がありません。
ちなみに、OJTとは真逆の概念に、“Off-JT”というものがあります。
OJT研修が、日常業務の中で行うものであるのに対し、Off-JTは業務と別に実施される研修のため、個別的ではありません。
具体的な違いをまとめておきますので、この機会にぜひ覚えてください。
OJT | Off-JT | |
意味 | 業務の中で行う研修 | 業務以外で行う研修 |
研修方法 | 現場教育 | 研修、講習など |
研修対象 | 個人 | 集団 |
OJT研修を実施する3つの目的
医療現場において必要不可欠なOJT研修は、主に以下の3つの目的で実施されます。
・研修対象者の能力向上
・指導係の能力向上
・組織力の形成
研修対象者の能力向上
OJT研修の目的として挙げられるのは、まず研修対象者の能力をアップさせることです。
医療現場において、若い従業員の能力を高めることができれば、医療従事者の不足が叫ばれる中、人材確保に繋がる期待も大きくなります。
さらに、研修対象者の能力が上がれば、当人の成長意欲や自己実現意欲を満足させることにも繋がるでしょう。
指導係の能力向上
OJT研修には、従業員の指導係における能力を向上させる目的もあります。
もちろん、効果的なOJT研修が実施されれば、指導係は周囲からの信頼を得ることができ、自信と向上心の両方を手に入れることになります。
組織力の形成
医療現場においてOJT研修を継続的に実施することは、人材が効率的に育ち、なおかつ人が人を育てるという堅固な組織力を形成することにも繋がります。
やはり、どれだけ優秀な人材が揃っていても、組織としての力が弱ければ、各々が実力を発揮できません。
OJT研修を実施し、技能や専門的な技術も速やかに伝達される環境が整えば、組織の継続的な発展に大きな影響を与えるでしょう。
OJT研修の適切な進め方
医療現場のOJT研修は、一般的に以下の7つのステップで進めていきます。
①業務選定
医療現場において、どの業務をOJT研修の対象とするかを決定します。
②レベル分け
OJT研修の対象となる業務のレベル分けを実施します。
研修対象者のレベルが必ずしも一定とは限らないため、こちらの作業を怠ってはいけません。
③レベル把握
各研修対象者の現時点での業務レベルを把握します。
④指導計画
以下の項目を明確にし、OJT研修の指導計画を立てます。
・研修期間
・目標到達レベル
この段階では、各研修対象者にとって、低すぎず高すぎず、適切な目標到達レベルの設定を意識しましょう。
⑤研修実施
実際に医療現場において、OJT研修を開始します。
このとき、必要な場合には、適宜内容を調整しなければいけません。
そうすることで、より価値のある研修が実施できます。
⑥レベル診断
各研修対象者が、OJT研修によってどれくらいのレベルにまで到達したのかを診断します。
⑦レビュー
結果の報告やレビューを実施します。
このときの結果については、次回以降のOJT研修を行う際に活用するのが良いでしょう。
まとめ
ここまで、医療現場に必要不可欠なOJT研修について深掘りしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
近年、特に多忙な医療現場において、適切な計画と流れでOJT研修を実施することは、決して簡単なことではないでしょう。
しかし、今後の組織としての在り方、医療業界全体の繁栄を考えた場合、実施しないという選択肢はありません。
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