医療現場では、患者様の満足度をアップさせるため、常に接遇の意識を強く持つことが重視されています。
さらに近年は、“NPS®”という指標を導入し、体制の見直しに活かす医療現場も少なくありません。
ここからは、NPS®の概要や顧客満足度との違い、計測方法などについて解説しましょう。
NPS®の概要
“NPS®”とは、Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)の略であり、これまで計測が困難だった“顧客ロイヤルティ”を数値化した指標をいいます。
顧客ロイヤルティは、顧客におけるブランドや商品、サービスなどに対する“信頼”、“愛着”を指す言葉で、医療現場においては、患者様が病院等に感じる良いイメージを意味しています。
医療現場以外でも、NPS®が導入される機会は増加していて、海外では、以下のような顧客志向を重視する企業が採り入れています。
・Apple
・Amazon
・Google
・Facebook など
NPS®と顧客満足度は何が違う?
NPS®は、“顧客満足度”と混同されることが多いですが、これらは決して同じものではありません。
主に以下の点に違いがあります。
・質問形式
・評価の段階
・レギュレーションの有無
質問形式
顧客満足度は、文字通り顧客の満足度を図る指標であるため、「〇〇に対し、どれくらい満足していますか?」という質問形式で数値化されるのが一般的です。
一方、NPS®は顧客ロイヤルティを数値化するため、満足度についての質問は用いられません。
主に「〇〇を友人にどれくらい薦めたいと思いますか?」といった質問形式が採用されます。
評価の段階
顧客満足度における評価の段階は一般的に5段階、7段階で、“満足”、“やや満足”といったような項目に分けられるのに対し、NPS®は0~10までの11段階で評価されます。
レギュレーションの有無
顧客満足度を数値化する際の質問形式、評価方法には、これといったレギュレーションが存在しません。
その反面、NPS®は質問形式、評価方法が統一されているため、外部との比較に用いやすいという特徴があります。
NPS®と顧客満足度の違いまとめ
NPS®と顧客満足度の違いを表にまとめておきますので、ぜひこの機会に覚えてください。
NPS® | 顧客満足度 | |
質問形式 | 他人にどれくらい薦めたいかを質問するのが一般的 | 満足度に関する質問形式を用いるのが一般的 |
評価の段階 | 11段階(0~10) | 5もしくは7段階 |
レギュレーション | 存在する | 存在しない |
NPS®の計測方法について
医療現場においてNPS®を計測する際は、まず患者様にアンケートを取り、どれくらい当該医療機関を他人に推奨したいかについて、点数をつけてもらいましょう。
そして、この点数を基準に、患者様を以下の3グループに分類します。
点数 | 評価 |
9~10点 | 推奨度が非常に高く、他人への推奨の役割も担う(推奨者) |
7~8点 | ある程度信頼はしているものの、それほど熱狂的ではない(中立者) |
0~6点 | 不満が多く、悪評を広めるおそれがある(批判者) |
上記のグループ分けが終わった後は、アンケートを取った人数に対し、推奨者と批判者がどれくらいの割合を占めるかをチェックして、NPS®を算出します。
例えば、10人にアンケートを取り、推奨者が6人、批判者が2人いる場合は、60%から20%を差し引くため、NPS®は+40になります。
ちなみに、NPS®における数値化の範囲は、0~+100ではありません。
-100~+100の間で算出されるため、例えば10人中8人が批判者で、2人が推奨者の場合、その医療機関のNPS®は-60です。
医療現場においては、平均的にNPS®が12ポイント増加すると、成長率が倍増するとされています。
弊社では、E-Pサーベイという患者満足度・従業員満足度・NPS®を計測するアンケートツールを用意しております。
こちらのツールは、簡単な操作方法で様々なクリニック経営における重要なスコアが計測できるツールです。
クリニックの現状をスコア化したい、ライバルクリニックと数値で比較をしたい、具体的な改善点を数値化したいなどをお考えのクリニックさまにお勧めのツールですので、是非、お問い合わせ下さい。
まとめ
ここまで、医療現場での導入が望まれるNPS®について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
もし、NPS®の導入方法や活かし方がわからないのであれば、解決のため、コンサルティング会社などのプロにお任せするという方法も視野に入れましょう。
そうすることで、医療機関の経営状況は上向く可能性が高いですし、患者様にとっても良い環境が出来上がります。
また、弊社は医療総合コンサルティング会社で御座います。
BSC(バランス・スコアカード)を使ったコンサル戦略で、多角的にクリニック経営をサポートさせて頂きます。
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