事例から考える患者様への正しい対応やコミュニケーション

コミュニケーションのこと

クリニックでは、患者様に不快な思いをさせないよう、細心の注意を払って対応したり、コミュニケーションを取ったりしなければいけません。

このような行動の積み重ねが、クリニック全体のイメージアップにつながります。

今回は、さまざまな事例を紹介しながら、正しい対応やコミュニケーションについて学んでいきましょう。

事例①検査結果を伝える際の対応

クリニックにおいてある検査を受け、数日後検査結果を聞きに来たAさんは、診察室に入るや否や、主治医に「Aさん、残念なお知らせがあります」と告げられました。

当然Aさんは「何か悪い数値が出たに違いない」と思いましたが、実際その残念なお知らせというのは、主治医が人事異動により、別のクリニックに移るという内容でした。

その後、検査結果は特に異常がなかったということが伝えられています。

こちらの事例では、検査結果を聞きにクリニックを訪れている患者様に対し、先に主治医の異動について伝えたことが問題です。

患者様は検査結果が気になって仕方がないわけですから、まずは結果から報告しなければいけません。

また、「残念なお知らせがあります」という言葉を使うことで、患者様の不安をさらにあおってしまっているため、こちらも適切ではないと言えます。

事例②休診を通知する方法

夏の暑い日、生活習慣病で長く通院するBさんは、定期的な受診と薬の処方を求めてクリニックを訪れました。

しかし、クリニックの入口には休診のお知らせが貼ってあり、Bさんは中に入ることができませんでした。

ちなみに、前回の診察時、Bさんは何の案内も受けておらず、院内にも張り紙はされていなかったことが、後になってわかっています。

クリニックが休診を通知する際は、事前に患者様に対し情報を提供しなければいけません。

例えば、受診の際や電話応対の際に、「〇月〇日は休診です」と伝えるだけでも、患者様にとって大きな情報となります。

また、設備を通して、情報をタイムリーにわかりやすく提供することも大切です。

具体的には、以下のような工夫を忘れないようにしてください。

院内における工夫 ・院内に案内を掲示する(設備ごとに数ヶ所掲示)

・3ヶ月分のカレンダーを掲示する(事前案内)

その他の工夫 ・ホームページに掲載する

事例③受付時の対応

クリニックを訪れたCさんは、受付に診察券を提出し、受付の従業員から「お呼びするまで、お掛けになってお待ちください」と言われました。

このとき、従業員は周りを確認しておらず、書類に目を通していました。

しかし、待合席は満席であり、Cさんは待機する場所がなく、一度その場から離れることになってしまいます。

こちらのケースにおける問題は、従業員が待合席の状況を確認せず、患者様に対し画一的な対応をしてしまったことです。

もっと言えば、書類に目を通したまま案内したということは、患者様の目や体調なども確認していないということであり、こちらはクリニックの従業員としてあるまじき行動です。

待合席の状況を確認し、満席だとわかった場合には、温かい表情とアイコンタクトにより、少し診察まで時間がかかることの了承を得なければいけません。

また、患者様の体調が悪そうに見える場合には、イスを用意するなど臨機応変に対応すべきです。

ちなみに、「お掛けになってお待ちください」という案内も、接遇の観点から見ると、あまり好ましくありません。

診察までどこで待つかについては、あくまで患者様の判断に任せるべきです。

まとめ

ここまで、実際の事例を参考に、患者様への正しい対応やコミュニケーションについて学んできましたが、いかがでしたでしょうか?

従業員における接遇、正しいコミュニケーションの意識が低いというクリニックは、従業員教育、育成、ホスピタリティ向上プログラムである3up Projectを活用してみてください。

医療機関に特化した研修により、個々の人間性やクリニックの組織力向上が期待できます。

タイトルとURLをコピーしました