クリニックは、医師や看護師など、さまざまな医療従事者が役割を果たし、連携することにより、初めて患者様に良い医療を提供することができます。
また、そのような現場において導入を検討すべきなのが、“チームビルディング”という取り組みです。
今回は、こちらの概要や導入プロセスについて解説します。
チームビルディングの概要
チームにおける個々人の能力、技術、経験を最大限に活かし、目標達成を目指すための取り組みをチームビルディングといいます。
直訳すると“チームの構築”であり、たとえクリニック内に優秀な人材が集まっていたとしても、チームとしての精度を高めなければ、院内全体の力は底上げされません。
また、ここでいうチームとは、共通の目的や目標達成のために、一人ひとりが自らの役割を把握した上で、メンバー同士が協力している組織のことを指します。
ちなみに、チームビルディングは“チームワーク”と似通っていますが、これらは似て非なるものです。
具体的には、以下のような違いがあります。
概要 | カテゴリ | |
チームワーク | 一人では達成できない目標をチームのメンバーと協力し合いながら成し遂げようとすること | メンバーの関係性 |
チームビルディング | チームが目標達成を目指すために、個々人の異なるスキルを尊重し、融合させること | チームづくりの具体的な取り組み |
チームビルディングの導入プロセス
クリニックのチームビルディングにおける導入のプロセスは、以下の5段階に分けられます。
・形成期
・混乱期
・統一期
・機能期
・散会期
形成期
形成期は、メンバーが決定し、院内においてチームが形成されたばかりの段階です。
こちらの段階では、まだメンバー同士の理解が不十分であり、目標も曖昧であるため、まずはメンバー同士が互いの理解を深め、目標達成を妨げる要因や課題を見つける必要があります。
もちろん、課題の発見については、院長先生が主体となって行います。
混乱期
混乱期は、チームの目標が明確になり、そのゴールに向かって進み始めた段階です。
こちらの段階では、メンバーそれぞれの考え方や価値観の違いにより、対立が起こりやすいため、とにかく議論を行い、さらにチーム全体の方向性を一致させる必要があります。
また、それでも前に進まない場合は、課題の解決方法を新たに見つけなければいけません。
統一期
さまざまな議論の末、チームに安定した一体感が生まれ始めるのが統一期です。
これくらいの段階まで来ると、チームの考え方や各メンバーの役割は全体に共有されているため、スムーズに次の段階にまで移ることができる可能性が高いです。
機能期
機能期は、統一されたクリニックのメンバーがそれぞれ機能し、チームとして成り立っている段階です。
個々人の能力や技術もかなり向上しているため、一人ひとりの自立的な行動、メンバー同士のサポートにより、目に見える成果が現れ始めます。
また、機能期をキープするためには、院長先生による各メンバーへのサポート、連携を高めるアクティビティの実施といった対応が必須です。
散会期
散会期は、目標を達成することにより、チームが活動を終了させる段階です。
また、こちらの段階において、各メンバーの反応を見ることにより、チームビルディングが成功であったのか、失敗であったのかがわかります。
解散を惜しむ声や、メンバー同士がお互いをたたえ合う姿などが確認できれば、チームとしての完成度が高く、チームビルディングは成功したと言えます。
まとめ
ここまで、クリニックが導入すべきチームビルディングの概要や導入プロセス、仕組みなどを解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
チームビルディングは、医療従事者としての意識が低いメンバーがいると、なかなかスムーズには実践できません。
もし、なかなか意識が向上しない従業員がいるのであれば、3up Projectを活用し、まずはチームビルディングの土台づくりを行うことをおすすめします。