クリニックには、病気を患っている方、ケガをした方などが治療に訪れますが、中には障がいを持っている方もいます。
また、クリニックの従業員はこれらの患者様と接する際、きちんとサポートをしなければいけません。
ここからは、サポートの内容やポイントについて解説します。
視覚障がいがある患者様と接する際のポイント
視覚障がいを持つ患者様をサポートする際は、以下のようなポイントを押さえてサポートすることが大切です。
・身体に触れず、前方から声をかける
・指示語は使用しない
・同じペースで誘導する
視覚障がいのある患者様は、周りの状況がハッキリとはわかりません。
そのため、相手から声をかけられないと、会話が始められないこともあり、クリニックの従業員は、前方に回って名前を呼ぶなどして、会話のきっかけを作るべきです。
また、こちら、あちら、これ、それといった指示語では、従業員側の伝えたいことが伝わらない可能性が高いため、場所やものを指示する場合は、以下のように言い換えましょう。
言い換え前 | 言い換え後 | |
場所 | こちら、あちら など | 30cm右、2歩前 など |
もの | これ、それ など | 保険証、問診票 など |
その他、誘導をする際には、従業員の肘や肩につかまってもらい、患者様のペースに合わせて進みます。
ただし、白杖を持っている方、盲導犬を連れている方などの場合は、進路を妨害しないように注意しなければいけません。
聴覚障がいがある患者様と接する際のポイント
聴覚障がいがある患者様と接する場合は、以下のポイントを押さえてサポートします。
・コミュニケーションの方法を確認する
・聞き取りにくい場合は再確認する
聴覚障がいがある方との会話には、手話や指文字、筆談、口話、読話など、さまざまな方法が用いられます。
患者様によって、コミュニケーションの方法は異なるため、まずはどのような方法が良いか、本人の意向をチェックすべきです。
まずは文章でこちらの気持ちを伝えることで、患者様は快く答えてくれるでしょう。
また、聴覚障がいを持つ患者様の中には、言葉をうまく話すことができない方もいます。
そのため、患者様からの言葉が聞き取りにくい場合には、理解したふりをせず、聞き返したり、紙などに書いてもらったりして、内容をきちんと把握します。
肢体不自由の患者様と接する際のポイント
肢体不自由とは、病気やケガなどの理由により、上肢、下肢、体幹の機能の一部、または全体に障がいがあるために、立つ、座る、食事、着替え、ものの持ち運び、字を書くといった日常生活の動作が困難になる状態をいいます。
また、このような身体が不自由な患者様が訪れた場合、クリニックは以下のようなサポートをすべきです。
・車椅子の方の視線に合わせる
・不自由さを理解する
車椅子を使用している患者様の場合、立った姿勢で話すと、上から見下されているような心理的、身体的負担を与えてしまうことになります。
そのため、少しかがんで同じ目線で話すようにしましょう。
また、適切なサポートにつなげることができるよう、患者様にどのような障がい、不自由があるのかを理解しなければいけません。
例えば、肢体不自由の方の中には、移動に制約がある方や、文字の記入が困難な方もいれば、体温調整や話すことが困難な方もいます。
それぞれの患者様の苦手なことを理解しなければ、クリニックとして良いサポートをすることはできないため、注意してください。
まとめ
ここまで、障がいを持つ患者様のサポートをする際のポイントを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
クリニックの規模や診療科目を問わず、前述したような障がいを持つ患者様が訪れる可能性は十分にあります。
また、そのような患者様への高い接遇意識を従業員に理解してもらいたいクリニックは、従業員育成・教育プログラムである3up Projectを活用してみましょう。