チームビルディングの形成期は、チームが結成されたばかりの時期を指しています。
また、形成期は、まだリーダーとメンバーがお互いのスキル、考え方などを理解していないため、ある程度の信頼関係をつくる必要があります。
今回は、このような場合に効果的な“リーダーズインテグレーション”について解説します。
リーダーズインテグレーションの概要
リーダーズインテグレーションとは、チームビルディングで導入可能なワークショップの1つであり、リーダーとメンバーの結束力、信頼関係を高めるために用いられるものです。
インテグレーションには“統合”という意味があり、こちらを実施することで、形成期における信頼関係の問題を解消し、次のステージである混乱期、統一期へと進むための足掛かりとします。
リーダーズインテグレーションを行うメリット
クリニックのチームビルディングにおいて、リーダーズインテグレーションを導入する主なメリットは以下の通りです。
・コミュニケーションが活性化される
・言いづらいことを共有できる
・チームの信頼関係が高まる
コミュニケーションが活性化される
手順は後ほど解説しますが、リーダーズインテグレーションはチームビルディングにおける全メンバーが参加して達成するワークショップです。
そのため、必然的に各メンバーのコミュニケーションが活性化されます。
言いづらいことを共有できる
クリニックにおける通常業務の時間帯では、メンバーが自らの業務に追われ、言いたいことを言えずに時間が過ぎてしまうことも多々あります。
一方、リーダーズインテグレーションをゲーム感覚で楽しむことにより、リーダーとメンバーの垣根がなくなるため、それぞれが言いたいこと、言いづらいことの意見交換をすることができます。
チームの信頼関係が高まる
リーダーズインテグレーションにおける最終目標は、なんといってもリーダーとメンバー間における信頼関係の構築です。
本音でこうしたい、ああしたいという意見を交換することで、リーダーには各メンバーへ、メンバーにはリーダーへの信頼や親近感が湧いてきます。
リーダーズインテグレーションの手順
チームビルディングでリーダーズインテグレーションを導入する場合、まずは以下のものを準備します。
・ポストイット(75×127mmの大きめのもの)
・太字のサインペン
・参加者全員が入ることのできる会議室
これらが用意できたら、以下のような手順で進めます。
手順 | 備考 |
①リーダーからの挨拶、今後の目標の説明 | リーダーはここで会議室から退室 |
②メンバーが質問に対する回答をポストイットに記入する | 質問内容は以下の4つ ・リーダーについて知っていることは何か? ・リーダーについて知らないことは何か? ・自分たちのことで知っておいてほしいことは何か? ・リーダーのため、チームのために自分たちができることは何か? メンバーはここで退室、リーダーが会議室に入る |
③リーダーが書かれた意見への回答を考える | ファシリテーターは匿名性を担保しつつ、ポストイットの内容をリーダーに説明する |
④リーダーからメンバーに回答のフィードバックを行う | このタイミングで全員が会議室に入る |
ちなみに、リーダーズインテグレーションには、中立の立場であるファシリテーターが必要です。
こちらの人選については、なるべくチーム外のメンバーに務めてもらうべきです。
まとめ
ここまで、クリニックのチームビルディングにおいて、形成期に実施すべきリーダーズインテグレーションについて解説しました。
ある程度のスペースと時間さえあれば、ほとんど費用をかけずに実施できるため、リーダーである院長先生は導入を検討してください。
また、チームビルディングが次のステージに進んだら、3up Projectなどを活用し、メンバーの能力を育成することも考えましょう。