クリニックのチームビルディングは、各メンバーが同じ方向に向かって行動し、目的を達成するためのものです。
また、そのような団結力が試されるチームビルディングにおいて重要なものに、“コンテクスト”があります。
ここからは、コンテクストの概要や種類、重要性などについて解説します。
コンテクストの概要

コンテクストは、文脈や背景といった意味を持つ言葉です。
チームビルディングにおいては、コミュニケーションの背景となる状況のことをいい、ビジネスシーンではクリニックのほか、IT業界や建築業界で使用されることが多いです。
例えば、業務について上司から「好きにして良い」と言われたとき、ポジティブなゴーサインなのか、拒絶なのかを判断する場合には、指示された側の人物が無意識にコンテクストを読み取っていることになります。
ハイコンテクストとローコンテクスト
コンテクストには、ハイコンテクストとローコンテクストの2種類が存在します。
ハイコンテクストは、言語以外の情報や表情、仕草などでコミュニケーションを成立させる方法や文化で、こちらは少し遠回しで日本的な表現として用いられます。

一方、ローコンテクストは、できるだけ言語情報だけで意味を伝えようとするシンプルなコミュニケーション方法、文化であり、欧米などではよく用いられます。

同じようなシチュエーションでも、これらの方法の違いにより、以下のように受け答えの仕方が変わってきます。
状況 | ハイコンテクスト | ローコンテクスト |
契約を断るとき | 「誠に残念ですが、こういうご時世ですので」 | 「契約は見送らせていただきます」 |
プレゼントを渡すとき | 「つまらないものですが」 | 「気に入ってくれると嬉しいです」 |
チームビルディングにおけるコンテクストの重要性

クリニックのチームビルディングにおいて、コンテクストはとても重要な役割を果たします。
例えば、チームでクリニックの経営状況について会議する際、以下のようにメンバーごとの捉え方が異なるとします。
・現状うまくいっている
・経営状況が悪化している
このような場合、うまくいっていると考えるメンバーは、研修や人員増加などに関連する発言が増え、経営状況が悪化していると考えるメンバーは、課題の把握などに関する発言が多くなると考えられます。
しかし、このような内容の会議では、メンバー同士の意見が噛み合わず、話し合いが平行線のまま終わってしまう可能性があります。
一方、会議を行う前に、テーマだけでなくコンテクストまで共有していれば、不要な話が少ない生産的な会議が実現できます。
具体的には、なぜそのようなテーマになったのか、どういった点について議論するのかを共有することが大切です。
ハイコンテクスト、ローコンテクストの使い分け
チームビルディングのコンテクストは、メンバーの構成によってハイとローを使い分けなければいけません。
例えば、チームビルディングにおけるメンバーが、長年院長先生とともに働くベテランの従業員である場合は、察することや前提条件の共有がしやすいため、ハイコンテクスト文化を採り入れることが可能です。
一方、付き合いが短かったり、経験が浅かったりするメンバーが大半を占めている場合、院長先生は言葉を使った明確な指示、情報共有を意識し、ローコンテクストコミュニケーションにすることが望ましいです。
まとめ
ここまで、クリニックのチームビルディングにおいて重要なコンテクストについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
コンテクストをうまく活用することにより、メンバー間の関係性が構築され、クリニックは目的に向かって進みやすくなります。
もし、チームで動くスキルや業務スキルが未熟なメンバーがいるのであれば、3up Projectを活用し、チームビルディングのメンバーに相応しい人材に育てることも検討してください。