“モチベーション”とは、“動機”を意味する言葉であり、人が何らかのアクションを起こすときの要因となるものをいいます。
クリニック経営では、院内の従業員におけるモチベーション作りが重要視されていますが、果たしてその理由は一体何なのでしょうか?
ここからは、モチベーションの種類等と併せて解説しましょう。
“モチベーション=やる気”ではない
クリニック関係者の方だけに限らず、“モチベーション=やる気”という認識を持っている方は多いでしょう。
しかし、こちらは正しい認識ではありません。
冒頭で触れた通り、モチベーションは“動機”を意味する言葉であり、組織論的には“自発的行動を促す環境作り”という認識が正しいと言えるでしょう。
わかりやすく双方の違いを馬で例えると、以下のようになります。
やる気 | どれだけ目の前にぶら下がった人参を食べたいか |
モチベーション | どのような人参を目の前にぶら下げるか |
2種類のモチベーションについて
クリニック経営におけるモチベーションは、主に以下の2種類に大別されます。
・内的欲求型モチベーション
・外的欲求型モチベーション
内的欲求型モチベーション
金銭を得る、誰かに褒められるといった外から与えられる報酬ではなく、ある活動をすること自体を自己目的として求めるモチベーションをいいます。
基本的には、興味や関心、好奇心や向上心といった要素にしか影響を受けません。
わかりやすくいうと、“自分がやりたいからやる”という気持ちが原動力になっているということです。
しかし、こちらは意図的に持たせるのが難しい上、外的要因に影響されて失うことも珍しくありません。
外的欲求型モチベーション
金銭あるいは権限の譲渡、または物質的な賞罰や叱責といった外的な要素によって構成されるモチベーションをいいます。
バリエーションが豊富であり、高い効果があることから、クリニックなどの組織ではよく利用されていますが、一時的な効力になるケースが多いという欠点が度々指摘されています。
クリニック経営におけるモチベーション作りの重要性
クリニックを経営するにあたって、前述したようなモチベーション作りを従業員に対して行うことは、以下のメリットにつながるため、非常に重要と言えるでしょう。
・離職率、採用コストの低下
・人材育成のコスト、時間削減
・労働生産性の向上
離職率、採用コストの低下
業務に対するモチベーションを維持する従業員が増加すれば、相対的にクリニックにおける離職率は低下します。
当然、既存従業員の離職率を低い状態でキープできれば、新規採用しなければいけない人材の絶対数も減り、無駄なコストはかかりません。
人材育成のコスト、時間削減
クリニック経営におけるモチベーション作りは、人材育成にかかるコストと時間の削減にもつながります。
モチベーションは、従業員がスキルアップを目指したり、業務への推進力を向上させたりするための原動力であるため、こちらが整備されることになれば、自ずと別の方法で育成する必要性は少なくなります。
労働生産性の向上
“労働生産性”とは、従業員1人あたり、もしくは1時間あたりなどにおいて、どれほどの成果を生むことができるかを示す指標をいいます。
クリニックにおいて、組織行動の規範を明確にしたり、金銭的報酬を充実させたりといったモチベーション作りを徹底すれば、こちらの数字も良くなるでしょう。
まとめ
クリニック経営者の方は、従業員に対してモチベーション作りを徹底し、院内全体にプラスの効果をもたらさなければいけません。
そうしなければ、厳しい労働環境が続くクリニックの現場において、人員や採用・経営コストが不足してしまいます。
もちろん、モチベーション作りについては、コンサル会社などのプロに相談しても構いません。
また、弊社は医療総合コンサルティング会社で御座います。
BSC(バランス・スコアカード)を使ったコンサル戦略で、多角的にクリニック経営をサポートさせて頂きます。
クリニックの経営でお悩みの方は、まずは弊社にご相談下さい。