異なる属性、性格のメンバーで構成されるクリニックのチームビルディングでは、院長先生がチームをスムーズに動かすために、さまざまな策を講じる必要があります。
また、その一つが今回解説する“サーベイフィードバック”です。
今回は、サーベイフィードバックの概要、メリットや注意点、導入方法などについて解説します。
サーベイフィードバックの概要
サーベイフィードバックとは、組織のメンバーに対して組織調査(サーベイ)を行い、そこでわかった現状から、次に何をするのかを決めていくというものです。
ブラックボックス化しやすい組織の内情を“見える化”する有効な手段がサーベイであり、こちらで出てきた課題に対し、フィードバックを通じて対話を行い、チームの未来をメンバーとともに作っていく目的で行われます。
サーベイフィードバックのメリット
チームビルディングでサーベイフィードバックを用いるメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
・離職防止
・声なき声を拾うことができる
・院長先生とメンバーが同じ目線になる
サーベイフィードバックを行うことにより、メンバーのやる気や組織への愛着度を可視化できるため、離職前に対策を講じることが可能です。
また、チームビルディングなどの組織では、言いたいことがあっても言えない空気が流れていることがありますが、サーベイフィードバックでは、そのような声や意見も聞き取ることができます。
その他、院長先生とメンバーが同じ目線になることで、組織の改善におけるプロセスを一緒に進めることができ、より信頼や愛着度を高められるのもメリットです。
サーベイフィードバックの注意点
チームビルディングでサーベイフィードバックを採り入れる場合、院長先生は以下の2点に注意しなければいけません。
・対象者を責めない
・再評価を行う
メンバーのフィードバックを行う際は、対象者のネガティブな点ばかりを取り上げ、責めないことが大切です。
マイナスな内容ばかり突きつけられたメンバーが、自信を喪失したり、院長先生との信頼関係が崩れたりする可能性があります。
また、サーベイフィードバックでネクストアクションを決定しても、すべての対象者が行動を起こすとは限りません。
アクションプランを策定しただけで、放置されることも考えられます。
このような状況では、クリニックのチームビルディングにおける環境は改善されず、サーベイの意味もなくなってしまいますし、メンバーのモチベーションも低下します。
そのため、院長先生はメンバーが具体的に行動を起こした場合に、何度も再評価を行い、評価を繰り返すことで、クリニックにとっての良いサイクルを促すことが求められます。
サーベイフィードバックの導入方法
サーベイフィードバックを導入するクリニックでは、以下のような段階を踏むのが一般的です。
段階 | 詳細 |
サーベイの設計 | 調査の実施目的、スケジュールの設計 |
調査項目の設計 | 目的に合わせた調査項目の設計(10分以内で回答できるものが理想) |
調査結果の提示 | 結果を平均値や分布で示し、優先順位を示す |
調査結果のフィードバック | 各メンバーとの対話を通じたフィードバック |
このとき、データに対し理由をつけて都合良く解釈したり、数値だけに注目し、結果の数字を変えるためだけの場当たり的な対策を取ったりすることは、失敗の典型であるため、注意してください。
まとめ
ここまで、チームビルディングにおけるサーベイフィードバックについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
チームを良い方向に導くためには、各メンバーと向き合い、段階を踏んで課題を解決することが重要です。
また、調査項目の作成が難しければ、既存のサーベイサービスを利用するのも一つの手ですし、よりメンバーの成長を促したい場合は、3up Projectの活用もおすすめです。