院長先生は、クリニックのチームビルディングにおけるリーダーでありながら、他の権限を持つメンバーとともに、管理監督者としても行動する必要があります。
また、管理監督者として行うべき取り組みとしては、“ラインケア”が挙げられます。
今回は、ラインケアの概要やメリット、実施のポイントなどについて解説します。
ラインケアの概要
チームビルディングにおけるラインケアとは、権限を持つ管理監督者(ライン)が主体となり、従業員の健康管理に取り組むメンタルヘルス対策です。
ここでいうラインとは、一般企業の場合は課長や部長を指していますが、クリニックのチームビルディングにおいては、院長先生が担うこともあります。
例えば、メンタル不調のメンバーの相談に対応したり、休職後の職場復帰を支援したりと、ライン自らイニシアチブを取って、職場環境を改善していくのがラインケアです。
ラインケアのメリット
チームビルディングにおけるラインケアには、クリニック側、メンバー側にそれぞれメリットがあります。
具体的には以下の通りです。
クリニック側のメリット | ・安全配慮義務の遵守 ・メンバーの生産性向上 ・健康経営の促進 ・離職、休職リスクの軽減 |
メンバー側のメリット | ・過度なストレスからの解放 ・業務におけるモチベーションの維持 ・心身の不調、それに伴うミスの防止 |
ラインケアを実施する際のポイント
クリニックのチームビルディングでラインケアを導入する場合、院長先生や権限を持つ管理監督者のメンバーは、以下のポイントを押さえることが大切です。
・メンバーの異変に気付く
・メンバーの話を丁寧に聞く
・安易に否定や批判をしない
・適切な専門家に相談する
メンバーの異変に気付く
院長先生や管理監督者のメンバーは、日頃からメンバーをよく観察し、いち早く異変に気付くことが大切です。
特に、以下のような異変が見られるメンバーは、心身の不調に悩まされている可能性があります。
・欠勤が増えた
・遅刻が増えた
・泣き言を言う
・業務のパフォーマンスが下がった
・ミスが増えた
・「辞めたい」と言うようになった など
メンバーの話を丁寧に聞く
心身の不調が見られるメンバーに対しては、話を丁寧に聞くことで対応すべきです。
具体的には、メンバーの言葉を聞くだけでなく、一挙一動に集中し、メンバーの気持ちと話の内容をきちんと理解することが大切です。
逆に、あくびをしたり、脚を組んだり、時計を見たりといった行動は、メンバーに「話を聞いてもらえていない」という印象を与えてしまうため、避けなければいけません。
安易に否定や批判をしない
明らかにメンバーの考えが正しくないときや、誤解があるときであっても、安易に否定や批判の言葉をかけるのは良くありません。
まずは、メンバーの考え方をそのまま受け止めることが大切です。
もちろん、結論を急がせたり、他のメンバーと比較したり、自分語りをしたりといった行動はNGです。
また、近年では、飲みに誘うことなども、アルコールハラスメントといって、逆効果になる可能性があるため、注意してください。
適切な専門家に相談する
院長先生や管理監督者のメンバーは、相談されたメンバーの不調に気づいたら、院内だけで抱え込まず、外部の専門機関などに相談してください。
こうすることにより、院内のルールや対話における留意点を教えてもらうなど、適切な対処法を確認することができます。
まとめ
ここまで、チームビルディングにおけるラインケアの概要やポイントについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
ラインケアは院長先生、管理監督者のメンバーだけでなく、アウトソーシングによってもある程度体制を整えることが可能です。
また、他のアウトソーシングとしては、メンバーの教育や育成を目的とした3up Projectの活用もおすすめです。