チームビルディングを構成するメンバーの育成は、クリニックの目標を達成する上で必要不可欠です。
また、メンバーを育成する方法の一つとして、“ジョブローテーション”というものがあります。
今回は、チームビルディングにおけるジョブローテーションの概要やメリット、注意点などについて解説します。
ジョブローテーションの概要
ジョブローテーションとは、メンバーにさまざまな業務経験を積ませるために、定期的な配置転換を行うことをいいます。
こちらの配置転換の目的は、メンバーが新入社員なのか、中堅社員なのか、はたまた管理職なのかによって以下のように変わってきます。
主な目的 | |
新入社員 | 各部署の業務の経験 |
中堅社員 | リーダーシップの発揮 |
管理職 | 将来を担う人材の育成 |
ちなみに、自社の人事制度の一環として、ジョブローテーションを採り入れている日本の企業は、全体の70%以上にも上るとされています。
ジョブローテーションの方法について
クリニックのジョブローテーションは、一般的に以下のような流れで進めていきます。
・目的を決める
・対象メンバー、対象部署を検討する
・期間、目標を決定する
・ジョブローテーションを考慮した人材配置を行う
・業務を開始する
ジョブローテーションのメリット
チームビルディングにおけるジョブローテーションのメリットには、主に以下のようなことが挙げられます。
・各部署の連携が高まる
・生産性が向上する
・院内の活性化につながる
各部署の連携が高まる
ジョブローテーションは、チームビルディングのメンバーに対し、院内の多様な部署を経験させる機会を与えられる仕組みです。
また、その過程で築かれた人間関係は、部署間の連携を高め、結果的に業務の円滑化につながる可能性があります。
生産性が向上する
ジョブローテーションにより、院内の業務の標準化が確立させることで、欠員などが出てもスムーズに対応できます。
また、こちらは結果的に、生産性の向上にもつながります。
院内の活性化につながる
先ほども少し触れたように、ジョブローテーションによる定期的な配置転換は、新しい人間関係が生まれることにつながります。
また、このような新しい人間関係は、部署間の視点の偏りを防ぎ、新たな視点から業務に取り組みきっかけにもなり得るため、院内の活性化という意味でもメリットがあります。
ジョブローテーションの注意点について
ジョブローテーションを導入するクリニックは、定期的にメンバーの部署が変わることにより、一時的に生産性が低下する可能性があることを理解しておきましょう。
こちらは、メンバーが新しい業務に慣れるまでに時間がかかることが主な理由です。
また、ジョブローテーションでは、一定期間で業務内容が変わってしまうため、新しい業務の表面的なことは理解できても、深い部分までは理解しにくいという課題があります。
そのため、スペシャリストの育成にはあまり適していません。
その他、ジョブローテーションをきっかけに、メンバーが退職する可能性がある点にも注意が必要です。
メンバーが新しい業務を経験する中で、「自分はこの業務には合わない」と感じたり、長期のプロジェクトを最後まで担当できなかったりすると、不満を感じて退職を検討することが考えられます。
院長先生は、このような事態を防ぐために、メンバーとの1on1を通じ、本人の希望とクリニックの期待をすり合わせる機会を定期的に設けなければいけません。
まとめ
ここまで、チームビルディングにおけるジョブローテーションについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
チームビルディングの目標達成には、院内でこのような取り組みをいくつも実践し、取捨選択することが大切です。
もちろん、3up Projectのようなアウトソーシングの取り組みも、必要であれば適宜導入していく必要があります。