クリニックのチームビルディングでは、メンバーの配置を考慮しなければいけません。
こちらの配置は、各メンバーの能力や性格に応じて設定します。
またチームビルディングにおいては、マトリクス組織の形成も一つの選択肢です。
ここからは、マトリクス組織の概要や形成のメリットなどについて解説します。
マトリクス組織の概要
マトリクス組織は組織形態の一種です。
一般企業においては製品や職能、事業などの複数要素で構成される組織を指します。
例えばクリニックの場合で考えてみましょう。
メンバーAは、医事課の外来業務を担当しているとします。
こちらは受付や会計などが主な業務内容です。
一般的にはAは外来業務に専念しますが、他の業務も担当させるとします。
例えば、医療文書作成や人事課のメンタルヘルス管理などです。
このようにメンバーを1つの部署ではなく、複数所属させるのがマトリクス組織です。
また指揮命令系統についても、複数持たせることができます。
マトリクス組織を形成するメリット
チームビルディングでマトリクス組織を形成することで、業務効率が向上します。
部署をまたいで業務を行うメンバーが増加するからです。
こちらはチームのコミュニケーション活性化にもつながります。
またメンバーの視野が広がり、個々の能力が最大限に発揮されることもメリットです。
つまり業務の品質向上、社員育成効果も期待できるということです。
ちなみにマトリクス組織では、各部署の指揮命令者にある程度の決定権を与えます。
そのため、トップマネジメントである院長先生の負担は軽減されます。
マトリクス組織の種類について
マトリクス組織には、主に以下の3つの種類があります。
・バランス型
・ストロング型
・ウィーク型
それぞれの特徴を見てみましょう。
バランス型
バランス型は、リーダーをプロジェクトメンバーの中から選ぶというものです。
プロジェクト全体の動きを把握しやすく、問題が起きても迅速に対応できます。
ただし部門マネージャーもいるため、メンバーは複数の指示を受けることになります。
そのため院長先生は、調整が難しくなる可能性があります。
ストロング型
ストロング型は、各プロジェクトにプロジェクトマネージャーを配置します。
こちらのプロジェクトマネージャーは、いずれも高い専門性を持っています。
そのため指示が明確になり、各メンバーは自身の業務に集中しやすくなります。
ウィーク型
ウィーク型は、プロジェクトマネージャーを設置しない形態です。
プロジェクトメンバーそれぞれが自ら判断して行動するため、自主性が養われます。
ただし業務内容が曖昧になりやすく、進行速度も遅くなることが懸念されます。
マトリクス組織の注意点
マトリクス組織は構造が複雑です。
そのため、誰にいつ報告すれば良いのか判断しづらいというデメリットがあります。
もちろん、報告の失敗が起こるケースもあります。
失敗を防ぐには、マトリクス組織内の各メンバーの意識が重要になります。
具体的には、誰がどのように報告するのかのプロセスを理解しておくことが大切です。
また指揮命令者同士が対立関係にあると、メンバーのストレスは溜まりやすくなります。
院長先生はこのような事態にならないために、適宜対応する必要があります。
例えば、メンバーとの個人面談や定期的な配置転換などの対応です。
まとめ
ここまで、マトリクス組織の概要やメリットなどについて解説してきました。
クリニックのチームビルディングには、さまざまなシステムの導入が必須です。
なかなか目標に近づけないチームは、特に前述したような工夫をしなければいけません。
またメンバーの能力が不足している場合は、導入したシステムがなかなか機能しません。
そのような場合は、3up Projectを活用してメンバーの教育や育成を行いましょう。