クリニックのチームビルディングでは、適宜研修を行わなければいけません。
また研修の形式については、当然各メンバーにとっても、クリニックにとってもメリットの大きい方法であることが望ましいです。
今回は、チームビルディングで採用すべきファミリートレーニングについて解説します。
ファミリートレーニングの概要
ファミリートレーニングは、職場全体で行われる全員参加型の研修です。
クリニックのマネジメント層のみ、新入社員のみといったように階層を振り分けず、全員で特定のテーマについてディスカッションを行います。
部署全体もしくはクリニック全体で行われるため、職場ぐるみ研修とも呼ばれます。
ファミリートレーニングの方法
チームビルディングにおけるファミリートレーニングは、主に以下の方法で進めていきます。
・ブレインストーミング
・KJ法
各項目について詳しく説明します。
ブレインストーミング
ブレインストーミングは、グループの人員がそれぞれ課題に対して考えていることを出し合い、共通点や相違点を見出していく方法です。
互いの考えていることをすべて出し合った上で、議論を進められます。
KJ法
KJ法は、ブレインストーミングなどで大量に収集したデータや考えを整理・分析し、その中から新たなアイデアを得るための方法です。
東京工業大学名誉教授を務める、文化人類学者の川喜田二郎氏が考案したことから、イニシャルを取ってKJ法と呼ばれています。
多くのデータを1枚ずつのカードに分け、グループ化を繰り返していくことで、問題解決の手がかりや新たな発想が得られます。
ファミリートレーニングのメリット
チームビルディングにファミリートレーニングを導入することには、以下のようなメリットがあります。
・コミュニケーションの強化
・チームの一体感の上昇
・心理的安全性の向上
・アイデア生成の技術習得
・問題解決のスキルアップ
・持続的な改善文化の醸成
基本的にはクリニック全体で行われるトレーニングであるため、コミュニケーションは活発化しますし、チームの一体感も高まります。
心理的安全性が高まることで、若いメンバーが発言しやすくなるのもメリットです。
またKJ法を採用することにより、各メンバーがアイデア生成の能力を高めたり、問題解決のスキルをアップさせたりすることにもつながります。
ちなみに、部門全体でのトレーニングは、絶えず改善を求める文化を醸成する助けにもなります。
つまり一度のトレーニングだけでなく、その後も持続的に課題に取り組む姿勢が育まれるということです。
ファミリートレーニングを導入する際の注意点
ファミリートレーニングは、職場の問題点改善のために行う研修です。
そのため、クリニックの現場にどのような問題点があるのかについて、院長先生は事前に把握しておかなければいけません。
具体的には、メンバーを対象としたアンケートや面談を通じ、職場の問題点を把握するように努めましょう。
理想的なのは、多くのメンバーが問題点と感じている点をピックアップすることですが、特定の層が特に問題と感じている内容に焦点を当てる方法もあります。
またファミリートレーニングは、職場や部門全体で参加しなければ、期待していたような効果を発揮できません。
特に、新入社員や若手といった下の層のメンバーが参加・発言できているかについて、しっかりと気を配る必要があります。
まとめ
ファミリートレーニングは、院長先生による周知徹底とメンバーの協力さえあれば、比較的スムーズに導入できます。
コストや特別なアイテムなどはほとんど必要ありません。
そのため、外部の研修よりも先に導入すべきだと言えます。
またファミリートレーニングを導入しても、なかなかメンバーが育たないのであれば、3up Projectなど外部の研修やセミナーを採り入れていきましょう。