チームビルディングは、メンバー全員が同じ方向を向いていなければ、目標を達成するのが難しくなります。
またメンバー同士の軋轢が生じる原因の一つに、上司から部下へのパワハラが挙げられますが、近年は逆パワハラが横行するケースもあります。
今回は、逆パワハラの概要やパターン、対策について解説します。
逆パワハラの概要
逆パワハラは、名前の通り一般的なパワハラとは逆で、部下から上司に対して行われるパワハラです。
一般的なパワハラは、上司から部下に対し、組織内での優越的地位を背景に行われる嫌がらせなどの行為です。
しかし近年はパワハラに対し、“ハラスメントかどうかは受け手がどう感じるかで決まる”という主観を重んじる考え方が横行しています。
このような現状を逆手に取り、強く言い返せない上司に対し、部下がパワハラに類する行動を取ることがあります。
逆パワハラの主なパターン
逆パワハラの主なパターンとしては、以下が挙げられます。
・業務命令に対する執拗な反発
・上司の配置転換や解雇の要求
・注意や指導に対する過剰な反応
・人間関係からの切り離し
各項目について詳しく説明します。
業務命令に対する執拗な反発
チームビルディングにおいて、上司から部下に業務命令を行うことがありますが、これに対し部下が執拗に反発するケースは逆パワハラにあたります。
例えば「あなたの命令は聞けません」などと強い口調で否定するケースなどが該当し、こうなるとチームビルディング全体の生産性が低下してしまいます。
上司の配置転換や解雇の要求
特定の上司に対し嫌悪感を抱く部下が「〇〇さんが異動(退職)するまで仕事ができません」などと要求するケースも、逆パワハラのパターンの一つです。
特に集団でこのような要求が再三行われる場合は、悪質な逆パワハラだと言えます。
注意や指導に対する過剰な反応
上司からの業務内容に関する注意や指導に対し、何でもかんでも「パワハラだ」と過剰に反応することは逆パワハラにあたる可能性があります。
また「訴えてやる」などと脅し、指示や指導を受け入れないケースも同様です。
ちなみにこのような部下は、反発するだけでなく職場放棄や欠勤をしたり、パワハラを受けたとしてSNSに投稿したりすることもあります。
人間関係からの切り離し
特定のメンバーを集団で無視し、人間関係からの切り離しを図るいわゆるいじめのようなケースも、部下から上司に行われる場合は逆パワハラです。
このようなケースでは、他のメンバーを扇動する一人が「〇〇の言うことなんて聞かなくても良い」などと吹き込み、上司を孤立させることもあります。
チームビルディングにおける逆パワハラ対策
逆パワハラを防止するには、とにかく上司のメンバーが毅然とした態度で対応することが大切です。
逆パワハラを行う部下は、「上司に従わなくてもこの職場で働き続けられる」「処分を受けることはない」と考えているケースが多いです。
そのため、毅然とした態度で注意すれば、事の深刻さや重大さを認識させられる可能性があります。
また組織内のトラブルが訴訟などに移行した場合は、証拠資料の存在がとても重要になります。
このことから、部下に対する注意や指導の記録を残すことも大切です。
具体的な方法としては、メールやチャットツールなどでやり取りをしたり、問題発生時の記録をできる限り速やかに書面化したりすることが挙げられます。
まとめ
パワハラの注目度が上がったことにより、近年は逆パワハラという新たなハラスメントが生まれています。
部下が上司に対し過剰に反発したり、嫌がらせをしたりする状況は、組織として適切なものではありません。
またこのような部下は医療従事者としてのスキルも欠けていることがあるため、3up projectなどのセミナーを活用して教育に取り組むことも大切です。