医療現場では、目の前にいる患者様が何を求めているか推察し、喜びや不安、痛みや苦しみを想像して、気持ちに寄り添うための行動が必要になります。
このような行動は“接遇”と呼ばれるものであり、徹底することで“医療の安全”に繋がるとされています。
今回は、こちらの理由を中心に解説しましょう。
“医療の安全”とは?
医療の安全は、医療従事者から見た場合と患者様から見た場合とで、意味合いが変わってきます。
医療従事者から見た医療の安全は、安心・安全で質の高い医療を提供することであり、以下のような項目で構築されています。
・患者様の安全
・医療従事者の安全
・医療事故への対応
・医療の質の担保
一方で、患者様から見た医療の安全は、安心によって得られる医療機関の“信頼度”を指しています。
よって、患者様が医療機関に対して安心感を抱かない限り、医療の安全は感じてもらえないということです。
医療従事者から見る、接遇が医療の安全に繋がる理由
医療機関から見た医療の安全とは真逆に位置付けられる言葉に、“医療事故”が挙げられます。
こちらは、主に“ノンテクニカルスキル”の不具合で発生するもので、具体的には以下のようなものが該当します。
種類 | 概要 |
ロジカルシンキング | 誰でもわかりやすく、筋道が通った考え方 |
コミュニケーションスキル | 医療従事者相互、医療従事者と患者様における、医療分野に関係した知識や情報のやり取り |
ディベート | あるテーマに関して、対抗する2組が論理的にオーディエンスを説得するための議論 |
コーチング | 従業員が望む目標に向かって持てる力を活かし、最善を尽くせるよう、医療現場のリーダー等が意識すべき学習、行動を促進する協働的な関わり |
これらのスキルは、まさに接遇そのもののスキルであるため、医療従事者が接遇を徹底すれば、必然的に医療の安全に繋がります。
患者様から見る、接遇が医療の安全に繋がる理由
患者様は、医療機関に対して病んだ心や身体を預ける立場であり、医療従事者に不安や不信感を抱くと、医療の安全を感じられません。
こちらを言い換えると、安心感を抱くことができれば、患者様にとっての医療の安全に繋がるということになります。
そこで重要になってくるのが、医療従事者における接遇というわけです。
例えば、医療従事者が接遇における基本である挨拶、言葉遣いなどを意識することで、患者様との間には信頼関係が生まれます。
もちろん、信頼関係が患者様にとっての安心に繋がることは、想像に難くないでしょう。
そして、こちらの安心こそが、患者様が思う医療の安全となります。
つまり、医療の安全を下支えするのが安心であり、安心を作り出すのが医療従事者の接遇の徹底であるということです。
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医療従事者に求められるのは臨機応変な接遇
医療現場における接遇と、一般的な接遇には、少しニュアンスの違いがあります。
医療従事者に求められるのは、ホテルやデパートにおける、相手を敬うような標準化された挨拶・対応ではありません。
その時々で、医療従事者や患者様の状況は常に異なるため、そちらに合わせた臨機応変な対応が求められます。
具体的には、患者様の年齢や生活環境に合わせて、心地良いと感じる言葉を選んだり、表情や仕草を見ながら、声のトーンや表情を変化させたりすることなどが挙げられます。
日々の忙しい業務の中で忘れてしまいがちですが、医療従事者は患者様の受診によって成り立つ職業であるため、常に感謝の気持ちを込めて接するようにしましょう。
まとめ
ここまで、接遇と医療の安全における関連性について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
医療機関は、接遇の意識を高めることで、医療の安全を提供し、患者様に安心・安全を感じてもらえるよう尽力しなければいけません。
よって、接遇に関するノウハウが足りない医療機関は、一度コンサルティング会社などに相談してみましょう。
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