最後まで問題なくクリニックのチームビルディングを進めるにあたって、必要なのはやはり優秀な人材です。
優秀なメンバーがいなければ、どれだけ院長先生が試行錯誤しても、目標の達成は難しくなります。
またそのために必要な取り組みとして、リテンションが挙げられます。
今回はこちらの概要やメリットなどを解説します。
リテンションの概要

リテンションは、人材の流出を防止するための施策です。
具体的には、既存のメンバーのうち特に優秀なメンバーについて、組織内にとどめておくことを指しています。
リテンションは元々維持や保持を意味する言葉であり、マーケティング分野では既存顧客の維持という意味で使用されています。
リテンションの具体的な取り組み

チームビルディングにおけるリテンションを実現するための取り組みとしては、主に以下が挙げられます。
・報酬や福利厚生の充実
・適切な評価制度の導入
・コミュニケーション機会を増やす
・柔軟な働き方の導入 など
まず給与や賞与などの金額を上げることは、シンプルながら高いリテンション効果を発揮します。
特に医療現場では、仕事量と報酬が見合っていないケースが散見されるため、院長先生は注意しなければいけません。
またすべてのメンバーが納得できるような評価制度を導入したり、風通しが良くなるよう上司と部下のコミュニケーション機会を増やしたりすることも大切です。
さらに時短勤務やフレックスタイム、業務内容によってはリモートワークなどを導入することにより、優秀なメンバーが流出してしまうのを防ぎやすくなります。
リテンションのメリット

クリニックのチームビルディングがリテンションの取り組みを充実させることで、以下のようなメリットが生まれます。
・採用コストの削減
・ノウハウの流出防止
・メンバーのモチベーションアップ
クリニック側のメリットとしては、まず採用コストが大幅に削減されることが挙げられます。
クリニックが人材を採用するには、事務的コストや人材紹介会社への手数料などが発生します。
できる限り優秀なメンバーを長く在籍させることで、これらの費用は必然的に削減されます。
またメンバーの退職が相次ぐと、クリニックのチームビルディング内におけるノウハウまでも外部に流出する可能性があります。
こちらはクリニックが競争を勝ち抜くにあたって、決して良いことではありません。
もちろんリテンション施策には、単純にメンバーのエンゲージメント向上やモチベーションアップの効果もあります。
メンバーのクリニックに対する評価やモチベーションがアップすれば、必然的に生産性も向上します。
リテンションの注意点

チームビルディングでリテンションを導入する際、院長先生は以下の点に注意しましょう。
・環境を整備するのが難しい
・長期的に取り組む必要がある
報酬アップや新しい働き方の導入などについては、確かにリテンション効果が期待できますが、これらの環境は簡単に整備できるものではありません。
そのため、なかなか現在の体制を改善できなかった場合、その間に優秀なメンバーが続々と離職する可能性があります。
当然、環境の整備にはコストもかかります。
さらにリテンションの取り組みは、長期的に実践しなければ意味がありません。
年単位の長期的な取り組みが必要であり、施策導入後も継続的な評価や、必要に応じた改善作業が必要です。
まとめ
優秀なメンバーは、クリニックのチームビルディングにおける目標達成に大きく貢献してくれます。
その一方で、キャリアアップの意識が高く、他院への移籍や転職・独立を考えることも多いです。
また周りのメンバーの能力が乏しい場合、優秀なメンバーの負担が増え、離職を考える可能性もあります。
このような状況を防ぐという意味でも、クリニックでは特定のメンバーを育てるために3up Projectを活用しましょう。