クリニック業界は、オンライン診療など形態が多様化していて、その分競合も激化しています。
このような環境で頭一つ抜け出すために、クリニックのチームビルディングではケイパビリティを意識しなければいけません。
今回はケイパビリティの概要、高めることによるチームビルディングへの好影響などを解説します。
ケイパビリティの概要

ケイパビリティ(capability)は能力や才能、手腕や力量などを指す言葉です。
ビジネスシーンでは、組織全体が持つ能力や、組織として持つ他社より優位な点という意味を持っています。
簡単にいえば、他社にはない強みです。
クリニックにおいても、コミュニケーション能力や対応力、傾聴力などさまざまな能力がケイパビリティとして求められます。
またクリニックのチームビルディングにおけるメンバー一人にコミュニケーション能力があっても、このクリニックは“コミュニケーション能力が高い”とは言えません。
メンバー一人の能力差や好不調の波に左右されず、組織として継続的に適切なコミュニケーションを取れて初めて、コミュニケーション能力がケイパビリティと言えます。
チームビルディングにおけるケイパビリティの高め方

チームビルディングでケイパビリティを向上させるには、以下の取り組みが必要です。
・人材育成
・業務プロセスの改革
・組織体制の変革
まずクリニックのチームビルディングを支えるのはメンバーであるため、これらの人材育成や教育は必要不可欠です。
また現在の業務プロセスを見直し、重要度の高い業務に人的リソースを投入することができれば、組織全体の力を高められます。
さらに業務プロセスだけでなく、経営理念や人事評価制度などについても見直すことで、変革機運の醸成を狙うのもポイントです。
ケイパビリティ向上がチームビルディングに与える好影響

クリニックのチームビルディングがケイパビリティを高めることで、以下のようなメリットが生まれます。
・競合と差別化できる
・事業の持続性が上がる
言わばケイパビリティは、クリニックを運営していくにあたって確立した強みです。
競合のクリニックが簡単に真似できるものではないため、組織全体の仕組みとしての優位性は大きな差別化につながります。
もちろん、こちらは集患数の増加や患者満足度の向上にも寄与します。
また、一度クリニックのチームビルディングによって高められた特色の強さがあれば、地位がそう簡単に変わることもありません。
つまりクリニックが長く運営していくにあたって、十分な土台をつくり上げられるということです。
チームビルディングにおけるケイパビリティの注意点

チームビルディングにおいてケイパビリティを高めることは、競争の激しい業界において大きなメリットです。
しかし実際に明確な強みを構築するまでには、それなりの時間を要します。
一朝一夕で手に入るような強みであれば、競合するクリニックでも簡単に手に入ることが考えられます。
そのため、取り組みを行っても即効性は期待できません。
また過去に効果のあったケイパビリティについて、固執してしまうケースが散見されますが、こちらは良くない傾向です。
ずっと同じ目線でケイパビリティを高めようとしすぎると、クリニックのチームビルディングにおける活動が衰退するリスクがあります。
あくまで時代や環境の変化に迎合し、柔軟に対応していくことが求められます。
まとめ
クリニックの廃業率は、他業界に比べるとそこまで高くありませんが、廃業件数は年々増加しています。
このことから、生き残っているクリニックは多様化する患者さんのニーズに応えられているということがわかります。
クリニックそのものの需要が減ることは考えにくいため、チームビルディングではケイパビリティ向上を目指し、必要に応じて3up Projectも活用しましょう。