医療従事者の方は、患者様に病状や治療方法などについて説明する機会が多いです。
しかし、こちらがうまく伝わらないと、患者様の不満は大きくなり、担当医師やスタッフのみならず、医療機関全体の信頼度低下につながってしまうおそれがあります。
今回は、“伝わる説明”のポイントについて解説しましょう。
患者様に伝わる説明において押さえるべき4つのポイント
医療従事者の方が患者様から信頼を得るためには、伝えるべきことを伝えただけで満足せず、患者様が理解しているかどうかを重視しなければいけません。
以下のポイントを押さえることができれば、内容が伝わる可能性は高くなります。
・1文に1つの情報を入れる
・主語と述語を近づける
・うまく間を使う
・キーワードを意識する
1文に1つの情報を入れる
医療従事者の方は、患者様に病状等を説明する際、なるべく1文に1つの情報を入れるようにしましょう。
言い換えると、1文に2つや3つも情報を入れてはいけないということになります。
例えば、患者様に歯の状態について説明する機会があるとしましょう。
こちらのケースにおける悪い1文、良い1文の例は以下の通りです。
悪い1文 | 「〇〇さんの歯の状態ですが、こちらの絵を見てもらうとわかるのですが、歯と歯茎の間にある溝を歯周ポケットというのですが…」 |
良い1文 | 「〇〇さんの歯の状態をご説明します。まずはこちらの絵をご覧ください。…」 |
前者のような説明は、1文に含まれる情報量が多すぎるため、好ましくありません。
よって、後者のようにできる限り1文を短くして伝えるようにしましょう。
主語と述語を近づける
例えば、医療従事者の方が患者様に自己紹介をするケースがあるとしましょう。
このとき、主語(だれが)と述語(どうする)があまり離れていると、内容がかなり伝わりにくくなってしまいます。
具体的には、以下のような伝え方は控えましょう。
「私は、音楽鑑賞が好きで、面倒見が良く、優しい先生が経営する〇〇クリニックに勤務しています」
このような伝え方だと、ほとんどの方は、途中まで“私”という人物が“音楽鑑賞が好きで面倒見が良い”と勘違いするでしょう。
よって、もっと主語と述語を近づけ、以下のような伝え方に変更すべきです。
「私は○○クリニックに勤務しています。勤務しているクリニックの先生を紹介します。先生は音楽鑑賞が好きで…」
うまく間を使う
病状や治療方法などについて説明する際、医療従事者の方は、重要なことを伝える前、後に間を入れましょう。
そうすることで、患者様に心の準備をしてもらえる上に、理解する時間を提供することもできます。
逆に、説明の仕方は悪くないにもかかわらず、重要な内容をスラスラと伝えてしまうと、あまり患者様の頭に残らない可能性があるため、注意してください。
キーワードを意識する
患者様に伝わる説明をするには、医療従事者の方がキーワードを意識しなければいけません。
例えば、インプラントのメリットについて患者様に伝える際、「残っている歯を守ることができ、見た目が良くなるところがメリットです」という1文で説明するとします。
上記の1文のキーワードは、「残っている歯を守る」「見た目が良くなる」という言葉であり、医療従事者の方は、こちらを強く意識して伝えることを心掛けます。
説明する側がキーワードを意識し、丁寧にゆっくりと話すことで、患者様の理解度は大きくアップするでしょう。
まとめ
ここまで、医療従事者の方が押さえておくべき、患者様に“伝わる説明”について細かく見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
患者様に病状、治療方法などについて“話すことができる”だけでなく、“伝えることができる”医療機関は、必ずと言っていいほど高い信頼度を得ることができます。
伝え方についてより詳しく学びたいという医療機関は、コンサルティング会社などの専門家に相談することも検討しましょう。
また、弊社は医療総合コンサルティング会社で御座います。
BSC(バランス・スコアカード)を使ったコンサル戦略で、多角的にクリニック経営をサポートさせて頂きます。
クリニックの経営でお悩みの方は、まずは弊社にご相談下さい。