ビジネスシーンにおいて、“クリティカルシンキング”という思考プロセスが注目を集めています。
こちらは、クリニックの現場においても必要不可欠なものですが、まだまだ実践できているケースは少ないのが現状です。
ここからは、クリニックにおけるクリティカルシンキングの重要性を中心に解説しましょう。
クリティカルシンキングの概要
クリティカルシンキングは、“批判的思考”とも呼ばれるもので、感情や主観に左右されることなく、物事を判断しようとすることを指します。
元々は、アメリカの教育界で広まった考え方であり、身に付けることで客観的な判断、決断ができるようになります。
一般論として、完璧な問題解決の方法は存在しません。
どれだけ素晴らしい方法に見えたとしても、必ず何かしらの欠陥、不足があります。
ただ、欠陥や不足をクリティカルシンキングで補い、優れた方法に変換することは可能です。
つまり、クリティカルシンキングは、物事の判断における“効率化”に貢献する考え方だということです。
ちなみに、似たような思考プロセスに“ロジカルシンキング”がありますが、こちらは“論理的思考”であり、物事を要素ごとに分解し、筋道を立てて考えるためのものです。
クリティカルシンキングとは以下のような違いがあることを覚えておきましょう。
ロジカルシンキング | 物事を要素ごとに分解し、筋道立てて考える思考プロセス |
クリティカルシンキング | その考えや情報が本当に正しいのかどうかを疑い、検証して本質を見極める思考プロセス |
クリティカルシンキングとロジカルシンキングは、決して相反するものではありません。
ロジカルシンキングに必要なデータを用意する際に、クリティカルシンキングが用いられるというケースもあります。
クリニックにおいてクリティカルシンキングはなぜ重要なのか?
前述の通り、クリティカルシンキングは目標を達成するため、「この考えは本当に正しいのか」という批判的な思考により、物事を判断することを指しています。
また、こちらはクリニックが患者様に最適な医療を提供するためには、なくてはならない考え方だと言えます。
患者様が抱える問題は十人十色であり、それぞれが求めている医療を提供したり、解決策を見出したりすることは、決して容易ではありません。
しかし、クリティカルシンキングを駆使しながら医療過程を展開すれば、さまざまな問題点を抽出し、患者様のニーズに応えることが可能になります。
もちろん、クリティカルシンキングは、クリニックにおける医療ミスの防止にも効果を発揮します。
クリティカルシンキングの活用事例
では、クリニックにおけるクリティカルシンキングは、具体的にどのように活用すれば良いのでしょうか?
いくつか事例を紹介しましょう。
診察時の活用例
クリニックにおいて患者様を診察する際には、症状を把握するとともに、客観的または主観的なニーズ、心配事などの情報を、観察と対話によって取得します。
このとき、クリティカルシンキングを活用することで、診察によって得た患者様の情報がどれだけ正確なものなのかがわかります。
治療、施術時の活用例
クリニックにおいて、患者様に治療や施術を行う際には、クリティカルシンキングを活用し、それが本当に患者様にとって良いものなのかを考えます。
また、否あるいは改善の余地がある場合は、再実施に向けて、なぜ適切ではなかったのか、どのように改善すれば良いのかを検討、判断します。
まとめ
ここまで、クリニックにおけるクリティカルシンキングの重要性、活用事例などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
医師やその他の従業員がクリティカルシンキングを活用すれば、必然的に質の高い医療を提供できます。
詳しく学びたいというクリニックは、コンサルティング会社などのプロに相談しても良いでしょう。
また、弊社は医療総合コンサルティング会社で御座います。
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