医療接遇は、患者様に適切なあいさつや言葉遣い、身だしなみや表情、気遣いを提供することで、おもてなしの心を伝えるというものです。
また、患者様のニーズに応え、満足感を得てもらうための接遇を実施するには、まず患者様の特徴を理解するところから始めなければいけません。
今回は、主な患者様の特徴を解説します。
患者様の一般的な特徴5選
すべての方が当てはまるとは限りませんが、クリニックを訪れる患者様、特に高齢の方の多くは、以下のような特徴を持っていると考えておきましょう。
・身体の自由がきかず、不安を抱えている
・多面的であり、誇りや自尊心の認知を求めている
・健康な方、若い方と同じ生活願望を持っている
・プライバシーの保護を求めている
・サービスを評価する能力に長けている
身体の自由がきかず、不安を抱えている
高齢の患者様の多くは、心身のいずれかの異常を訴えていて、なおかつ身体の自由がきかないケースが多いです。
また、高齢ということもあり、症状や予後不良、死といったものに対しての不安を抱いていることもよくあります。
つまり、肉体的にも精神的にも弱っている可能性が高いということです。
クリニックの従業員は、このような患者様の状況を把握した上で、思いやりのある対応を心掛けなければいけません。
多面的であり、誇りや自尊心の認知を求めている
患者様だけでなく、クリニックの従業員やその他の方も含めた人々の生活は、以前より豊かでなおかつ多様化しています。
そのため、年齢や性差別等の人口学的な視点で、患者様を一様に理解、判断するのはほぼ困難です。
また、患者様は経済的環境や地位の高低、教育、家庭職場環境や文化的志向など、多面的な要素を抱えていて、それぞれに誇り、自尊心を持っています。
患者様と接する際には、このような誇りや自尊心を認知し、ケースバイケースの対応をしなければいけません。
健康な方、若い方と同じ生活願望を持っている
高齢の患者様は、若い方と同じような、あるいは身体のどこにも不安がないときのような生活を送りたいと思っています。
また、高齢や身体の不具合を理由に楽しみを失ったり、一方的に不要と思われたりすることを快く思いません。
クリニックの従業員における大きな目的としては、患者様に最適な治療法を提案し、心身ともに充実してもらうことが挙げられますが、上記のことを考慮するのであれば、身体を治すことだけでなく、患者様の「自由に生活したい」という気持ちを推し量ることも大切です。
プライバシーの保護を求めている
患者様には、クリニックの従業員の前に心身をさらし、プライバシーを放棄しなければならない状況が多く訪れます。
そのため、従業員はなるべく以下のような行動を慎み、患者様に羞恥や不安を感じさせないようにしなければいけません。
待合室での対応 | ・大声で名前を呼ぶ
・待合室で症状を聞く など |
診察室での対応 | 他の患者様の話をする など |
受付での対応 | 「次回は保険証を忘れないでください」などと大きな声で伝える など |
サービスを評価する能力に長けている
患者様の多くは、技術的あるいは専門的な理解力がある、ないに関わらず、従業員におけるサービスの質を評価する能力に長けています。
特に、態度や接し方などから、相手の心情を察することに敏感であるため、従業員の態度が少しでも悪いと、クリニック全体に悪い印象を持たれてしまう可能性もあります。
まとめ
ここまで、多くの患者様、特に高齢の方が持っている特徴について解説しましたが、いかがでしょうか?
3up Projectは、人間力を育てることで、医療接遇に対してイマイチ積極的ではない従業員も大きく成長させてくれるプロジェクトです。
もちろん、従業員の成長は、院長先生やクリニック全体、そして患者様にもメリットをもたらすことであるため、当プロジェクトを活用して損はありません。