クリニックにおける問診や処置、ケアを行う際の正しい接遇

接遇のこと

クリニックの医師や従業員は、問診や処置、ケアなどを行う際、必然的に患者様と話をする機会が増加します。

よって、このときに間違った接遇を行ってしまうと、今後の関係性にヒビが入るおそれがあります。

ここからは、それぞれのシチュエーションにおける間違った接遇、正しい接遇を比較して解説します。

問診を行う際の間違った接遇、正しい接遇

問診では、患者様から症状についての話を聞くことになりますが、このときには患者様が話の主導権を握れるように工夫しなければいけません。

ずっと医師や従業員側に主導権があるような話し方だと、患者様は問い詰められているような嫌な気分を味わうことになります。

また、「はい」「いいえ」でしか答えることができない“クローズドクエスチョン”ではなく、自由に回答できる“オープンクエスチョン”で質問をするのもポイントです。

医師や従業員側が知りたいことを聞くのではなく、あくまで患者様が話したいことに耳を傾ける姿勢を意識することで、上記の接遇が実践できます。

ちなみに、上記のことを踏まえると、問診での間違った言葉のかけ方、正しい言葉のかけ方は以下のようになります。

間違った言葉のかけ方 ・「頭が痛むのですか?」

・「いつから痛むのですか?」

・「ズキズキ痛むのですか・」

⇒話の主導権が患者様になく、クローズドクエスチョンになっている

正しい言葉のかけ方 「本日は頭が痛いとのことですが、どうされましたか?」

⇒話の主導権が患者様にあり、「はい」「いいえ」以外で自由に回答することができる

処置、ケアを行う際の間違った接遇、正しい接遇

診察に訪れた患者様、あるいは入院中の患者様に処置やケアを行う際にも、言葉遣いや行動には注意しなければいけません。

特に気を付けたいのは、急にパーソナルスペースに入ったり、身体に触れたりすることです。

いくら必要な処置やケアとはいっても、このような行動を取ってしまうと、患者様は驚いたり、抵抗を感じたりしてしまいます。

そのため、処置やケアを行う際は、事前に患者様にとってリスクになり得ること、心配していることについて、先回りして伝えることが大切です。

これらのことを踏まえた、間違った接遇、正しい接遇は以下の通りです。

間違った接遇 ・「おはようございます」と言いながら病室のカーテンを開ける

・「体温を測ります」と言いながら患者様に触れる

・「傷口を見ます」と言いながら布団をめくり上げる

⇒急にパーソナルスペースに入ったり、身体に触れたりしている

正しい接遇 ・「〇〇さん、おはようございます。カーテンを開けてもよろしいですか?」

・「体温を測らせていただいてもよろしいですか?」

・「傷口を確認させていただいてもよろしいですか?」

⇒患者様のリスクになり得ること、不安なことを先回りして伝えている

処置やケア中に呼ばれたときの間違った接遇、正しい接遇

クリニックの現場では、患者様の処置やケアをしている最中に、別の患者様から呼ばれるということもあります。

このような場合、優先順位がわからず焦ってしまうと、いずれかの患者様に不快な思いをさせてしまう可能性があります。

そのため、以下のうち正しい接遇を実践するようにしましょう。

間違った接遇 ・呼ばれた患者様に対し、「ちょっと待っていてください」と処置を続ける

・処置中の患者様に対し、「ちょっと待っていてください」と急に席を外してしまう

⇒優先されなかった患者様に不快な思いをさせてしまう

正しい接遇 ・緊急度が低そうな場合、呼ばれた患者様に対し「患者様の処置が終わってからで宜しいでしょうか?〇分ほどで伺います」と伝える

・緊急度が高そうな場合、処置中の患者様に対し「申し訳ありませんが、少々お待ちいただけますのでしょうか?〇分ほどで戻ります」と伝える

まとめ

ここまで、クリニックにおける患者様の問診、処置、ケアを行う際の接遇について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

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