“報連相”は、報告・連絡・相談の頭文字を取ったものであり、クリニックのみならず、職場での業務をスムーズに進める上で必要不可欠なものです。
今回は、クリニックにおける報連相の定義や目的について、すべての従業員に徹底させるためのポイントについて、具体的に解説したいと思います。
報連相の定義、目的について
クリニックの現場において重要な要素である報連相は、前述の通り報告・連絡・相談という3つの行動を指しています。
まずは、それぞれの定義や目的を見ていきましょう。
報告
報告とは、業務の指示を出した上司に対し、仕事の進捗具合を知らせることをいいます。
こちらは、上司に意思決定の判断材料を提供することが目的です。
連絡
連絡とは、決定事項や重要事項、業務連絡などを関係者に伝えることを指しています。
上司から部下への連絡、部下から上司への連絡、同僚同士の連絡のいずれも存在します。
相談
相談とは、上司や同僚に対し、判断やアドバイス、指示を仰ぐことをいいます。
困っていたり、迷っていたりと、自身では判断できない状況を解決することが目的です。
クリニックの報連相におけるポイント
クリニックが従業員の報連相を徹底させるためには、各項目におけるチェックシートを作成し、アンケートを取った後、実施できていないポイントを重点的に強化すべきです。
また、チェックシートの内容に関しては、以下のようにするのがおすすめです。
報告 | ・業務が終了したら、催促される前に指示した人物に報告している
・状況が変わったときなどの中間報告がある ・クレーム、トラブルなど悪い結果ほど迅速に報告している |
連絡 | ・情報ツールを使いこなし、明確な言語表現ができる
・重要な情報は、相手に確実に伝わったか確認している ・上司に対してだけでなく、同僚や関係部門への連絡も抜かりなく行っている |
相談 | ・職場に心を開き、腹を割って相談できる人がいる
・相談する際は、あらかじめ相談事項を整理し、自分なりの考えをまとめている ・相談した人に必ず結果報告をしている |
従業員からの報連相が滞る主な理由
チェックシートによって問題点を洗い出し、従業員に報連相を徹底させようとしているものの、なかなか状況が改善しない場合があります。
このように、従業員からの報連相が滞ってしまう主な理由には、心理的安全性の不足が挙げられます。
心理的安全性とは、従業員が不安を抱えることなく、相手に対して自身の考えを自由に発言できたり、行動に移したりできる状態のことをいいます。
こちらが不足しているクリニックの現場は、従業員が以下のような不安を抱えたり、行動を取ってしまったりしがちです。
不安 | 行動 |
無知だと思われる不安 | ・「わからない」と言えない
・知らないことや不明点を聞けない |
無能だと思われる不安 | ・失敗やミスを隠す
・自身の過ちを認めない |
邪魔だと思われる不安 | ・自発的な発言を控える
・新しいアイデアを思いついても言えない |
ネガティブだと思われる不安 | ・否定的に捉えられる可能性がある意見を躊躇する
・本当に重要な指摘ができない |
クリニックでは、従業員がこのような状況に陥ることを防ぐために、院長先生と従業員が話し合う場などを定期的に設け、風通しを良くしておかなければいけません。
ちなみに、職場の風通しを良くすることは、報連相が徹底されやすい環境を作るだけでなく、人間関係の良化、離職率の低下などにもつながります。
まとめ
ここまで、クリニックにおける報連相の定義や目的、院内に浸透させる際のポイントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
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